2022年4月21日、SOMPOケアでは今後のデジタル事業に関連する取り組みや戦略について発表し、「自立支援アプリ」が注目されるようになりました。
そこで、AIを使って予測する介護を可能とする自立支援アプリとは何なのか、その内容について解説していきます。
「自立支援アプリ」とは、AIを使って利用者の3か月後の介護状態を予測しつつ、効果的な支援の提案が可能なアプリです。
現状に対応する介護から「予測」する介護への転換を図ります。
自立支援アプリはSOMPOケアによるものですが、同企業では介護職員・理学療法士・栄養士など各種専門職と連携して、利用者一人ひとりにどのような援助が必要なのか最適な解決方法を導き出してきました。
さらに利用者の重度化を予防したり健康寿命を延伸したりするため、食事量や活動量の減少などの体調変化が見られ始めるよりも前に、予防する仕組みを構築することが理想と考えていたようです。
しかし、利用者ことの状態の把握や、介護職員の経験や勘などを頼りとした健康状態変化の察知にも限界があるため、これらを見える化できるアプリ開発に至ったとされています。
利用者の介護状態の悪化予測や、悪化前の予防介護実現を目指すため、業務で蓄積されたヘルスケアデータを解析しながら、介護状態をスコアで可視化するという内容です。
そのスコアを分析し、利用者の3か月後の状態を予測することができます。
ADL・認知機能・栄養状態などの健康状態をスコア化した過去の実績から、3か月後の介護状態を予測し、悪化していると予測されたときには、悪化している部分や考えられる状況、効果的な予防対策などが示唆されます。
状態が悪化してからではできることは限られるため、予測した状態にならないための対策が必要になります。
仮に、排泄機能の悪化が予測される場合など、トイレまでの導線の見直しが提案されたり、栄養状態が悪化するのであれば補助食品の検討が必要といった提案がされたりといった内容です。
運営されている2つの介護付き老人ホームによる試験運用では、予測ヒット率60%ほどという結果もでており、今後はさらに運用が拡大されるとされています。
将来的には、医療機関・薬局などのデータとも連携され、より細かな予測が可能となることでしょう。
テクノロジー・データを活用した予測する介護があれば、状態が重度化することを未然に防ぐことができます。
介護の質を向上させるために、有効活用されるようになることが期待されます。