日本は少子高齢化が進み、今後はさらに介護業界のニーズは高まり続けると予想されます。
そのため介護事業所を運営している事業者は、今後の介護業界の市場について、どのように成長し変化するのか気になることでしょう。
高齢者向けの介護製品やサービスなどの市場について、健全な成長率による成長が期待できるといった予想もあるため、今後の市場について考察していきます。
日本だけでなく、介護業界の高齢者介護製品や介護サービス市場は、2019年は約8,328億米ドルという結果でした。
2020年から2027年までの予測期間における成長率は3.90%超であるなど、健全に成長することが見込まれており、兆しは明るいと考えられます。
福祉用具貸与は利用者が可能な限り自宅で自立して生活を送るためのサービスであり、指定事業者が状況や生活環境などを踏まえた上で、適切な福祉用具を選び貸与します。
高齢者が抱えるニーズと要件を満たす設計を求められる専門的分野であり、生活支援・デイ・在宅・病院などにおいて網羅している業界です。
高齢者人口と併存疾患が増加し、特に高齢者人口の免疫系活動が低下することで、高齢者介護製品や福祉用具貸与などのサービスの必要性は、今後も高まると予測されます。
日本は高齢者人口が増加しており、令和5年の高齢化率は29.1%と過去最高を更新しています。
社会全体の介護ニーズが上昇傾向のまま推移しているといえますが、厚生労働省の「介護分野の最近の動向について」でも、令和4年の介護給付費(10.2兆円)は10年前より3兆円増えているとしています。
介護保険から事業者へ支払われる介護給付費が増えているということは、多くの人が介護保険を使っていると判断できます。
介護保険の利用者が増加しても、介護事業者は確実に利益を上げることが可能なわけではありません。
介護給付費は増えても、介護報酬の大幅なプラス改定は期待できず、物価高などによりコスト負担が膨れ上がっているからです。
令和5年9月に特別養護老人施設を対象とした「社会福祉法人経営動向(福祉医療機構)」の調査でも、約9割近い事業者が物価や原油価格の高騰で前年度よりも負担増だったと回答しています。
介護ニーズが高まれば介護業界が潤うわけではなく、採算の取れる介護サービスを見極めることや、利益を出せる事業へ参入することなどが必要になるといえるでしょう。