人手不足が深刻化している介護施設などの福祉事業では、業務効率を改善させることが急務とされています。
業務が効率化されれば、介護現場で提供されるサービスの質も向上させることができるでしょう。
しかし具体的に、現場の業務をどのように改善させればよいのか判断が難しいといえます。
そこで、福祉事業の現場改善について、実施する目的や取り組むことのメリットを簡単に紹介します。
福祉事業の業務改善の「目的」は、質の高い介護サービスを提供することです。
提供する介護サービスの質が上がれば、利用者の満足度も高まるため、利用率向上や他の施設との差別化も図りやすくなるでしょう。
少子高齢化が進む日本では、地方ほど高齢者が多く住んでいるものの、若い世代が少なくなっているため質の高い介護サービスの提供が難しくなっている現状もあるといえます。
介護業界は従業員の定着率も低く、必要な人員を確保できないため、さらにサービスの質は下がりやすい環境です。
IT技術などを活用した業務効率化なども推奨されているものの、いまだにアナログで非効率な方法による業務を行う施設も少なくありません。
今後は介護サービスの質向上を図るためにも、少ない人手で現場を回せるように、業務効率化に向けたIT技術やAI導入などの必要性が高まっています。
福祉事業の業務改善の「メリット」は、以下のとおりです。
・従業員の負担が軽減される
・採用・教育コストの削減が可能となる
・コミュニケーションが活性化される
・組織力が向上する
・サービスの質が向上する
たとえば業務をIT化すれば、事務作業が効率的に進むようになり、他の業務へ時間を割きやすくなります。
食事を準備するときに介護食を施設内で調理する負担を軽減させるために、3食のうち1食は調理済み食材を利用するといった方法なども検討できるでしょう。
業務にとりかかる一人ひとりの時間が少なくなれば、現場のコミュニケーションの活性化にもつながります。
離職理由として多いのが職場での人間関係の悩みであり、コミュニケーションが取りにくい環境ではストレスが溜まりやすく、介護サービスの質も下がる一方です。
業務効率化で従業員の定着率が上がれば、組織力も強化されて利用者のニーズに対応しやすくなります。
さらに現場のモチベーションや士気も高まるため、質の高いサービス提供が可能となるでしょう。