介護サービスを提供する事業者が、利用率アップを目指すのなら、稼働率を上げることが必要です。
たとえば訪問介護事業所の場合、訪問回数や売上だけでなく、稼働率に注視する経営者や管理者は少なくありません。
そこで、利用率アップについて、稼働率を上げる方法を訪問介護の例で紹介します。
「稼働率」とは、勤務時間内にどのくらいサービスを提供できたかを示す指標です。
稼働率が低ければ、手待ち時間・事務作業・移動時間などが増えるため、売上に直結するサービス提供の時間が少ないことをあらわします。
なお、介護施設における稼働率に厳密な定義はなく、経営側による考え方にも差があるといえるため、一律ではありません。
稼働率の計算方法は以下のとおりです。
稼働率=1か月のサービス提供時間数/1か月の勤務延時間数
勤務延時間数に休憩時間は含めないものの、以下の時間を含めた上で計算します。
・事務作業の時間
・移動時間
・残業時間
・勤務時間内の待機時間
・管理者・サービス提供責任者の訪問可能時間
利用率アップのために、まずは稼働率を上げることが必要です。
たとえば訪問介護では、サービス提供時間数と1か月の勤務延時間数の差を最小化させ、サービス提供時間数を増やして手待ち時間・事務作業・移動時間などを相対的に減らさなければなりません。
具体的な方法としては、以下の2つが挙げられます。
・利用者数を増やす
・業務効率化を図る
それぞれ説明します。
利用者数を増やすには、ケアマネジャーなどに事業所を認知してもらい、信頼関係を築くことが大切です。
それにより、ケアマネジャーから利用者を紹介してもらいやすくなります。
強みや特色が伝えることができるように、作成したパンフレットを持参し、居宅介護支援事業所や地域包括支援センターに営業に行きましょう。
サービスの質の向上に向けた取り組みを行い、ケアマネジャーにアピールすることも必要です。
業務効率化を図る
移動時間が最小化するように、スケジュールなどの見直しも行いましょう。
訪問介護の場合、勤務時間の報告を紙媒体で行っているのなら、移動時間の削減のためにスマートフォンで打刻できるアプリなどを導入することも検討できます。
また、訪問介護記録を記載する手間の削減に向けて、スマートフォンやタブレットで入力できる介護報酬請求・記録ソフトの導入も有効です。