介護事業を営み介護施設を運営する際、経営者側としては心を込めた介護サービスの提供を行っていこうと考えるものです。
利益を出し経営を安定させることばかりに注力せず、利用者に満足してもらえる介護サービスの提供が大切だと考えることは間違いではありません。ただ、本当に心を込めた介護サービスを提供したいと考えるのなら、まずは経営を安定させることが必要といえます。
経営が安定しなければ、介護施設を運営する上での設備投資や人件費に充てる費用を捻出することはできません。
十分な人件費を捻出できない介護施設で、現場の介護スタッフが安心して働くことはできるでしょうか。
介護スタッフが不安を抱えていると、それが利用者に伝わってしまいます。利用者は提供される介護サービスに満足感を得ることはできず、サービスの行き届いていない介護施設と判断されればさらに経営は危うくなるでしょう。
介護施設を運営するときに注意したいのは、他分野の業種とはいろいろと異なる点があることです。
事業による収入は介護保険制度によるものなので、一般的なサービス業とは大きな違いがあります。利用者を獲得すれば経営は安定しやすいことが特徴である反面、同じ規模の事業所同士で収入に違いがでにくいので、他事業所よりも収入を増やすことが難しいといえます。
そこで他事業所よりも多く収入を得たいなら、経費を見直すことを検討しましょう。
支出部分である経費を削減するポイントを間違ってしまうと、まとまった利益は生まれにくくなってしまいます。
利益を生む意識は大切ですが、反対に支払い部分である経費を削減することも意識し、何にかかる費用を抑えるべきか判断を誤らないことです。
経費の多くを占めるのが人件費という場合、人数を抑えれば人件費は削減できてもサービスの質も低下します。そこで、介護ソフトやシステムなどの導入や、現在注目されている介護ロボットを導入したりなど、現場の作業を効率化させてくれるサポート体制の構築も必要になるかもしれません。
もちろん何から何まで機械やコンピュータ任せにすることはできず、人の手で行わなければならない部分もあります。
効率化できる部分はどこか見極め、現場の介護スタッフが安心して働くことができる体制を構築させるようにしましょう。