
福祉事業者と融資の関係は、資金繰り問題を解消する手段としてだけではありません。
DX投資やBCP対策などの課題解決に向けた戦略であり、適切な経営判断のもとで検討されます。
しかし、福祉経営は、公定価格とコスト高騰において、板挟みの状態です。
適切なタイミングで融資を受けることなどが、事業存続の運命を分ける決定的な要因になるとも考えられるでしょう。
融資は借金というネガティブなものとして捉えず、変化する社会環境へ適応する前払いと考えることも必要になりました。
そこで、福祉事業者と融資の関係について、資金調達の理由や方法を簡単に紹介します。
福祉事業者が資金を調達する理由は、古くなった施設の建て替えや、新設などが主な理由うでした。
しかし、現在では、以下を目的とした資金調達が主流になっています。
・処遇改善が先行することへの資金調達…人材争奪戦の中で処遇改善加算を待たずに給与を引き上げるための運転資金確保
・DX・省力化に対する投資資金調達…AI導入による生産性向上を図る目的での資金調達
・BCP(事業継続計画)の設備資金…非常用電源設置や水害対策改修などの設備投資資金の調達
福祉事業者の業界特有といえるキャッシュフローを改善できる資金調達の方法として、介護報酬担保融資とファクタリングが挙げられます。
いずれも介護報酬を売掛債権とする資金調達の方法であり、福祉事業特有の入金までの2か月のタイムラグを埋める手段として利用できます。
介護報酬を担保に融資を受ける介護報酬担保融資や、専門業者に債権譲渡して早期現金化するファクタリングなどは、福祉事業者が利用しやすい資金調達の手法です。
急な設備故障や採用活動など、短期的なキャッシュフロー変動に対応できる環境整備に向けて活用できます。
福祉事業者の融資判断に影響するのが、金融機関の審査において重視される信用格付けです。
改正物流効率化法の施行に対応するために、たとえば食材やおむつなどを効率的に調達・管理できる物流DXなどのシステムを導入している福祉事業所への評価は上がります。
外部コストの管理能力の高さが評価の対象となり、金融機関の融資審査においても、条件が優遇される事例などもあるようです。
間接的に発生する物流コストをどのように調整するかも、企業の信用格付けに影響すると認識しておきましょう。