
介護福祉事業における会社経営は、一般的な民間企業の営利事業とは異なり、介護保険制度の枠組みの中で公共性と収益性を両立させる舵取りが求められます。
単に利用者のお世話をするのではなく、社会的な地域インフラ維持を果たしつつ、地域から必要とされる存在として生き残ることが必要です。
そこで、介護福祉事業における会社経営について、特徴や求められる労務経営を解説します。
介護福祉事業における会社経営は、社会貢献性が高いため、特有の難しさと特徴があります。
最大の特徴は、売上の多くを占めるサービス単価が、介護報酬によって一律に決められていることです。
価格設定は自由にできないため、報酬改定の動向を先読みしつつ、専門職を配置したりリハビリを強化したりなどで、上乗せ報酬を取得できる体制を整備する必要があります。
介護福祉事業で求められる労務経営では、労働基準法に沿ったコンプライアンス遵守に留まらず、人材確保と定着に質の高いサービス提供を両立させることが必要です。
現場で働く職員の能力を最大限に引き出すマネジメントが重要といえます。
介護福祉事業は、典型的な労働集約型産業のため、サービスの質は職員の質に依存します。
深刻な人手不足解消を目指して、多額の費用をかけて採用活動をしても、長続きせずにすぐに離職されれば採用コストばかりが膨らみます。
そのため、処遇改善加算を原資に給与を上げることや、ワークライフバランスと教育研修の整備などを行い、働き続けたいと感じてもらえる環境を整備することが重要です。
多様な人材を統合し、チームとして機能させることも必要になるでしょう。
介護現場の労働力不足への対応方法として、テクノロジー活用による介護DX化が挙げられます。
たとえば、見守りセンサーやAIロボット、インカムなどの導入により、現場の業務は省力化できます。
介護記録なども、従来までの紙媒体ではなく、タブレットなどを使って電子化することで、情報の可視化もしやすくなるでしょう。
事務的な作業に費やしていた時間が短くなれば、利用者の心のケアに向き合う時間を増やし、本来の業務に集中しやすくなります。
顧客満足度向上につながり、利用者から選ばれる介護福祉事業所としての運営が可能となるでしょう。