
介護福祉事業の見舞金とは、自治体から家族介護者へ支給される家族介護慰労金や、事業所から職員へ支給する慶弔見舞金などがあります。
他にも利用者が事故や急変などで負傷した際に、損害賠償とは別で支払う見舞金もありますが、利用者家族との信頼関係を左右する極めてデリケートな補償制度といえます。
誠意を示す意味があるため、経営上、扱いには注意が必要です。
そこで、介護福祉事業の見舞金の目的や、支払い基準と管理方法を解説します。
介護福祉事業の見舞金は、主に利用者が施設内の事故でケガを負ったときなどに、道義的な責任や誠意を示すために支払います。
過失の有無の確定前に見舞う気持ちをあらわすお金であり、法的な損害賠償金とは性質が明確に異なります。
介護福祉事業が支払う損害賠償金とは、介護サービス提供中に発生した事故やミスで、利用者の財産・身体・権利に損害を与えたときの法律上の損害賠償責任に基づいた金銭です。
施設側に過失が認められたときに、損害を補填する性質を持つお金といえます。
見舞金は、ケガをさせてしまったことへのお詫びであるため、性質に大きな違いがあります。
介護福祉事業が利用者に支払う見舞金の金額基準は、たとえば通院1回に対する金額や、症状(骨折など)で一律いくらなどの規定を設けておきましょう。
一貫した基準があれば、現場の混乱を防ぎ安定した経営が可能となります。
なお、見舞金は事故発生から、状況説明や謝罪の場と併せて提示することが一般的です。
数千円から数万円程度が相場とされているものの、受け取りやすい範囲に留めましょう。
見舞金を支払った際には、必ず受領証を受け取り保管します。
事案によっては、「本件について今後一切の請求を行わない」などの免責条項を含めた合意書を交わすことも検討しましょう。
見舞金以外でも、利用者に対する誠意をあらわす方法はあります。
利用者や家族が求めるのは、金銭ではなく誠実な説明や、再発防止策の提示などです。
常に寄り添う姿勢を主軸として、誠意をあらわしましょう。
介護福祉事業で見舞金を支払ったとき、福利厚生費・交際費・損害賠償金の一部として処理をします。
事故報告書とセットで支払いの根拠を示し、経営管理の健全性を維持しましょう。
万一の備えのために加入した損害賠償責任保険の内容も確認しておきましょう。
過失がない場合でも定額が支払われる見舞金費用特約などが含まれていることもあるため、保険金でカバーできる範囲を把握しておくと安心です。