介護福祉事業情報ラボNursing care work Information Lab

介護施設で儲けが出ているか確認したいなら粗利ではなくどこをチェックするべき?

2020.09.25
分類:経営

介護施設などによって、提供する介護のサービスは異なります。ただ、どのようなサービスを提供するかにより、利益率は大きく異なる点に注意しましょう。

介護業界で事業を営む上で、どれくらい儲けているのか粗利を確認することが多いようですが、介護ビジネスの内容や利益率について把握しておかなければ後で想定していたほど利益が出なかったとがっかりすることになってしまいます。

介護ビジネスとは?

介護ビジネスは大きく分けると3つに分類できます。

介護を受けたい利用者の自宅に介護スタッフが伺い、介護サービスを提供するのが訪問介護(在宅介護)です。

そして自宅で生活する利用者などが、介護施設などに通い介護サービスを利用する通所介護などもあります。デイサービスやショートステイと呼ばれるのは、この通所介護の1つです。

最後に有料老人ホームやグループホームなど、介護施設に入所し介護を受けるのが施設型介護です。

いずれの介護ビジネスも、行っている多くは中小企業であり、高齢化に伴いニーズも拡大されています。新規に介護施設を立ち上げる起業家や、異業種からの新規参入なども相次いでいる状況で、今後も市場がさらに拡大することが見込まれています。

 

介護施設の利益を確認する前に

介護施設を運営するにあたり、どのくらい利益が出ているのだろう?と考えたとき、粗利を確認する経営者が多いことでしょう。

粗利とは正式には売上総利益のことですが、まずは売上高営業利益率を確認してみてください。

売上高営業利益率とは、売上高に対する営業利益の割合を示しています。

主な業務から得ることのできる収益と、収益に期間的に対応する営業費用で算出する割合なので、本業での儲けがどのくらい効率的だったか知る上で必要です。

 

粗利ではなく何を確認するとよい?

そして粗利と呼ばれる売上総利益ではなく、本業による利益は営業利益で確認するべきといえます。

営業利益は、売上から人件費も含む販売費などを差し引いて計算します。

売上総利益(本業による粗利)-販売費および一般管理費(本業のための営業経費)=営業利益(本業による利益)

売上高営業利益率=営業利益÷売上高×100() ※10%あるとよい

 

収益を出すことは困難な業界?

異業種から介護業界に参入する傾向が高まっているようですが、苦戦中という企業も少なくありません。

介護ビジネスは介護スタッフの賃金水準も高いといえませんし、収益を出すことは簡単ではないといわれています。収益には濃淡があり一様ではないので、やり方次第では十分に収益を見込むことができるでしょう。