新型コロナウイルス感染症の影響による景気後退で、介護施設を運営している事業者などもこの先どうなるか…と不安に感じていることでしょう。
ただ、介護施設運営など介護業界は、基本的に不況に強いといわれています。
不況に強い業界や産業とは、主に人の生活や生命に関わることの多い公共性の高い産業などです。
サービスを運営する企業がなければ多くの方たちが困惑することになる産業であり、介護施設もその1つといえるでしょう。
介護施設を利用する方たちは、施設がなければ介護サービスを受けることができず、生活する場を失うことになってしまいます。
在宅介護を受けることができたとしても、近親者の介護負担は増えてしまうため、介護に追われることになれば仕事と両立するため短時間勤務をすることになる、または辞めなければならなくなる可能性も考えられます。
さらに介護について専門的な知識がない状態で、入浴や排泄などの介助を行えば、事故やケガなどのリスクを高めてしまうかもしれません。
以上のことから、介護施設は介護を必要とする方たちを支えるために必要な存在であり、景気に左右されにくい分野であるといえるでしょう。
介護業界が景気に左右されにくい理由として他にも、介護保険サービスを提供する事業者が受け取る収入は、一部は利用者から多くは市区町村など自治体からの介護報酬という形であることも理由として挙げられます。
公共性が高い介護業界は、景気後退や不況にも強く、長期で安定したキャリアを実現させることを目指しやすい業界なので、もっと多くの方たちにその魅力を伝えるべきです。
成長性が高く見込め、不況にも強いといっても今、介護業界は慢性的な人手不足に悩まされています。
それは介護業界が他の産業よりも給料が低い水準にあることが関係しており、実際、介護現場で働く約4割の方が仕事内容と賃金が見合わないと感じているようです。
さらに不況に強い反面で景気回復による恩恵は受けにくいというデメリットもあります。一般的な業種なら景気が回復すれば昇給することもあるでしょうが、介護業界は景気後退が減給につながりにくい反面で昇給もしにくいことが特徴です。
ただし安定的な水準を維持することできるので、たとえ不況の波にさらされても賞与がカットされたり基本給が引き下げされたりということはない点はアピールポイントとなるでしょう。