介護福祉事業情報ラボNursing care work Information Lab

介護施設などで働く人材が不足することは介護難民を増加させることになる?

2020.12.06
分類:経営

介護施設は現在人材不足であり、介護を必要としているのに介護サービスを利用できない介護難民が増えることが懸念されている状況です。

日本が抱える大きな問題の1つですが、今後、2025年に団塊の世代が75歳を超え後期高齢者となれば、さらに高齢者は増えます。

3人に1人は65歳以上、5人に1人が75歳以上という超高齢社会となることが予想されており、その時期である2025年も目前まで迫っている状況です。

介護人材は今以上に増やす必要がある?

自宅でも介護施設でも介護を受けることができない介護難民が増えてしまうのは、少子高齢化や医療発展による平均寿命の延びなども背景にあります。

そこで国も、日本の高齢化が進んでいることに伴って、地域包括ケアシステムを構築し在宅介護や介護予防を基本とする政策を打ち出しています。

住居・医療・介護・生活支援などを、地域が切れ目なく一括して提供する体制のことを地域包括ケアシステムといいます。

高齢者が介護を必要とする状態になっても、これまで通り住み慣れた家や地域で生活を続けることができるようにすることを目標としています。

しかしそのためには、これらの仕組みを担う人材が必要です。

今後は高齢世帯の3分の2が単身世帯または高齢者同士の夫婦世帯となると予想されているため、在宅介護も高齢者同士が行う老老介護になる可能性があります。

高齢者が高齢者の介護を行うことで危険なことも増え、ケガなどのリスクも高めてしまうため、やはり介護業界で働く人材が多く必要です。

 

なぜ介護難民が増えると考えられるのか

高齢者が増えることで介護サービスのニーズも高まっているため、深刻化する介護人材不足の問題を何とかして解消しなければなりません。

2025年には38万人という数の介護職員が不足することが推測されており、高まるニーズに対し人材不足が解消される気配はありません。

高齢化だけでなく少子化も進んでおり、人口減少により働き手となる世代は今後減少していくことも懸念されています。

需要と供給のバランスが取れていないことが、介護難民を増やす最大の要因となっているといえるでしょう。

新たに介護業界に参入する異業種の企業なども増えていますが、確かにニーズは高くても業界を支える人が不足していれば意味がありません。

高齢者人口に追いつける人材をどのように確保していけばよいのか、介護業界が抱える最大の課題として今後も取り上げられることとなるでしょう。