介護福祉事業情報ラボNursing care work Information Lab

介護施設の労働環境次第で離職率は変わる?

2020.12.10
分類:経営

介護施設などの介護事業所は離職率が高いといわれていますが、その背景には労働環境が関係しているといわれています。

そこで、実際に介護施設などで働く方がなぜ退職してしまうのか、離職率を高めてしまう労働環境について説明していきます。

介護施設などで働くスタッフが退職する理由とは?

公益財団法人介護労働安定センターが公表した調査によると、介護現場で働くスタッフが退職する理由として、職場の人間関係・結婚や出産など・介護事業所の経営理念や運営に対する不満・収入が低いことなどがあがっています。

離職率が高めの介護事業所の場合、実際に働くスタッフ自らの事情により退職しなければならなくなる以外に、不満を抱えているケースが多いということです。

特に次に挙げる理由の場合、介護事業所は労働環境を見直すことが必要になるといえるでしょう。

人間関係に問題があり退職

介護施設で働くスタッフが退職する理由の中で、多くあげられたのが職場の人間関係というものです。

介護施設では、介護サービスを利用する高齢者や一緒に働く介護スタッフ、医療や看護、リハビリなど様々な専門家ともかかわることもあります。

専門とする分野が異なる立場同士のスタッフでも、互いに協力しあう体制が必要ですし、それぞれの仕事に対する知識や技術、意欲などの差を埋めながらサポートしあうことが求められます。

そして利用者とも直接かかわることとなるため、その家族との人間関係なども円滑に保つことが必要です。

いろいろな人と関わる職場のため、人間関係が悪くなれば働きにくい職場と感じるようになり、辞めてしまう介護スタッフも出てきてしまう可能性が高まります。

労働時間が長いなど労働環境が悪いため退職

人手不足が続く介護施設では、1人の介護スタッフが抱える仕事の量が多くなり、それによって勤務時間も長時間になりがちです。

連日続く残業や長時間労働、さらに夜勤を求められるなど労働環境が悪いことも退職理由として上位にあがってきます。

仕事は激務なのに給料は安いため退職

労働環境が悪いだけでなく、残業代が支払われない場合や手当が少ないなど、仕事内容と給料が見合わないと感じることも退職理由としてあがっています。

特に人手不足の介護施設では、利用者にも十分な介護サービスを提供できず、利用者数減少により利益も低くなり、それに連動して給料も増えないという負のスパイラルが発生しているといえるでしょう。