日本は超高齢化社会に突入し、介護施設など介護事業も成長産業として注目されているところです。高齢化で高齢者が増えれば、介護事業は潤う一方なので、さっそく介護施設を開業させようと考える方もいるでしょう。
確かに介護事業は成長産業といえますが、経営はけっして容易ではなく、資金繰りなども注意しておかなければなりません。
まず介護施設を運営する上で、介護事業所を開業するときには200~1,000万円程度の資金が必要になります。
どのような介護サービスを提供するのか、その種類や規模で必要な設備、人員数なども変わってくるといえます。
訪問介護などは比較的少ない資金で開業させることが可能であり、通所介護の場合は資金が割高になる傾向にあるといえるでしょう。
介護事業所を開業するときには、自己資金の他、金融機関などから融資を受けたり助成金を活用したり、資金を調達することが必要となるでしょう。
そして実際に開業した後も、介護施設など運営する上で運転資金が必要になります。
介護事業所の経営で毎月必要な資金として挙げられるのが、
・家賃
・光熱費
・通信費
・消耗品費
・人件費
・リース代(備品をリース利用する場合)
・車両費・ガソリン代(利用者を送迎する場合)
などです。
開業してすぐ発生する費用が多くその中で大きな割合を占めるのは人件費で、どのような介護サービスを提供するかによりますが、人員配置基準のあるサービスであれば利用者がいなくても必要な人員は確保しなければなりません。
介護サービスを提供した後、介護報酬が入金されるまでは2~3か月ほどの時間がかかります。そのため運転資金は数か月分、準備しておかなければなりません。
介護事業で収入源になるのは利用者が負担する1割、そして介護給付として支給される9割分の介護報酬です。
利用者が個人で負担した1割はサービスを提供した翌月に入金されますが、介護給付はサービスが提供した翌々月末に入金される流れのため、全額入金まで時間がかかってしまいます。
数か月分の運転資金を準備しておかなければ、資金繰りが悪化し事業を続けられなくなる可能性も出てきてしまうでしょう。
そして利用者が集まらなければ、介護報酬は発生しないためいくらニーズが高い事業だからと、介護施設を立ち上げても厳しい状態に置かれることになります。
事前に事業計画を立て、開業資金や運転資金を調達しておくことが必要です。