日本の高齢化に伴い、介護業界へのニーズは高まり続けているとは言われているものの、介護事業者は今後の介護業界の市場を気にしていることでしょう。
市場調査レポートプロバイダーのREPORTOCEANが2021年3月に公表したレポートによると、高齢者向けの介護製品やサービスの市場は、2020~2027年の予測期間にわたり3.90%を超える健全な成長率による成長と予想されています。
世界の高齢者介護製品や介護サービス市場は、2019年に約8,328億米ドルと評価されています。2020年から2027年の予測期間では、3.90%を超える健全な成長率での成長が見込まれているのは、明るい兆しといえるでしょう。
高齢者介護製品とサービスは、高齢者介護と呼ばれる分野です。
高齢者の様々な段階におけるニーズと要件を満たす設計が必要とされる専門的な介護であり、生活支援・デイケア・在宅ケア・病院ケアなどを網羅していることが特徴といえます。
高齢者にありがちな腎不全・糖尿病・関節炎・代謝変化などの併存疾患では感染症にかかりやすいといえますが、市場成長は高齢者人口と併存疾患の増加、高齢者人口の免疫系活動の低下によるものと考えられます。
60歳以上の世界人口は、2017年は9億6,200万人でしたが、2030年までには13億人に達する予測が出ています。
高齢者介護製品やサービスの必要性は今後も高まり続けることと考えられるため、市場は成長していくこととなるでしょう。
調査会社である富士経済が公開しているレポートによると、高齢者向けの介護関連製品・サービス市場は、2025年には9000億円を超えることが予測されています。
2025年といえば団塊世代が75歳を超える年であり、4人に1人が高齢者となります。
「2025年問題」として、介護業界では大きなターニングポイントと取り上げられることが多いですが、高齢者増加と比例するかのように介護市場規模も拡大されていくことが見込まれています。
介護関連の中でも特に「介護業務効率化支援システム」に注目が集まっており、スマートフォンやタブレットなどのIT技術を活用した業務効率向上を目指すといったものです。
介護業務効率化支援システムは、2025年の市場規模の見込みで22億円に達するとされており、これは2018年と比べると2.2倍という勢いとなっています。
規模だけで見ればまだ十分とはいえませんが、最新技術を活用する動きは高まっているため、今後はさら加速することが予想されます。