これから介護施設を利用しようとする方がホームを見学に行くときには、わざとランチタイムを狙って訪問することもあるようです。介護事業者は、日常生活の中で忙しい時間となるランチタイムになぜ利用希望者がわざわざ見学に訪れるのか、その理由をしっかりと把握しておきましょう。
実際に介護施設に入所しようとする場合、そのホームがどのような雰囲気なのか、チェックするタイミングとしてランチタイムを選ぶ方も少なくありません。
なぜなら利用者に対する食事介助は、ホームが行う介護サービスの提供の質やレベルを確認しやすいからといえます。
たとえば介護スタッフが利用者の口にスプーンで食事を運ぶとき、上から押しこむようにしていれば誤嚥のリスクも高く、普段から利用者の尊厳を保つことを重視しているとはいえません。
他にも車椅子のまま食事を取るのか、それとも食事の際には決められた椅子へ移すのかなども確認できます。
使用されている食器も陶磁器なのか、それともプラスチックなのかなど、どの程度の配慮がされているか知ることができるでしょう。
食事のときの利用者に対する介助だけでなく、館内の清潔さやスタッフのあいさつなどでも雰囲気を感じとることはできます。
人の目に触れやすい玄関やホール、トイレなどが清潔にされているか、悪臭などはないかなど衛生面もしっかり確認することが多いようです。
ただ、見学者が訪問しているときにはスタッフも色々な面で注意することが多いので、実際に体験入所などを利用することで、よりホームの雰囲気やサービスの質を確認されることとなるでしょう。
すでに入所している方への接し方、見学に訪れた方に対するあいさつ、スタッフ同士のやりとりでの言葉遣いなど、見学者はいろいろなことを確認しています。
これから入所する施設だからこそ、安心して任せることができるホームでなければ、いくら設備などが充実していても誰も入所したいとは思わないからです。
そして実際にホームで生活している方の表情や雰囲気なども確認し、表情に曇りが見られるときやスタッフとの関係が悪いと感じるような部分があれば、居心地が悪い施設と判断されることとなるでしょう。