介護事業者の中には、優れたサービスを提供しているはずなのに利用者が集まらず、入居率の低さに悩んでいることもあるでしょう。
低稼働率のままでは介護事業所の運営も低迷する一方のため、何とか立て直しを図りたいものの何が原因なのかわからなければ改善しようがありません。
そこで、なぜ入居率が低迷してしまう介護事業所が存在するのか、その理由を解説していきます。
介護施設など入所を希望する方は事前に施設を見学に訪れるものですが、その際に介護スタッフが入所希望を断っていたというケースもあります。
その背景には現場で働く介護スタッフがギリギリの人数のため、今よりも利用者が増えてしまうとすでに入所している方に迷惑がかかってしまうと考えるからです。
入居率が上がってしまうと現場は忙しくなり、フロアや共有スペースなどもこれまではゆったり使ってもらっていたのに、利用者が増えれば窮屈さを感じさせることになります。
利用者それぞれに対する介護サービスにかける時間も短くなるなど、従来までのケアが成立しなくなってしまうでしょう。
このように入居率を上げることは介護事業者にとって大切なことですが、実際に現場で働く介護スタッフにとってはデメリットになることもあると理解しておく必要があります。
介護スタッフが介護事業所の入居率が上がることはデメリットと感じているのなら、入居率を上げることによるメリットを伝えるようにしましょう。
たとえば入居率が上がれば介護事業所の収入が増えるため、介護スタッフの賞与をアップさせることもできますし、新たな人員を増やすこともできます。
また、入所している利用者の数が少ないと施設内はひっそりと寂しい印象になりますが、人が増えることでにぎやかで楽しい施設といった印象に変わるでしょう。
利用者も一緒に過ごす仲間が増えるため、施設自体に活気が出るとも考えられます。
特に稼働率が30%に達していない介護事業所は、できるだけ契約率を上げて入所する利用者を増やすべきといえます。
そのためには施設へ見学に訪れる方をできるだけ増やすことのできる工夫が必要となりますので、他の事業所とは異なる強みを徹底的にアピールすることが必要です。