介護現場では、一緒に働くスタッフだけでなく利用者とのコミュニケーションも大切になります。
介護事業者も現場のスタッフ同士の雰囲気を確認すると同時に、スタッフと利用者がスムーズにコミュニケーションを取れているのか気にしておくことが大切ですが、利用者に対しては言葉だけではなく身体全体でのコミュニケーションが必要になります。
そこで、スタッフと利用者のコミュニケーションの取り方で注意しておきたいことは何かご説明します。
介護を必要とする方のADL(日常生活動作)は人それぞれなので、たとえば言葉で伝えればわかってもらえる方もいれば、言葉だけでは伝わらないこともあります。
反対に利用者も、言葉で自分の意思や気持ちを伝えることができる方もいれば、そうでない方もいるということです。
そこで、利用者の表情・動作などを確認しながら、何を伝えようとしているのか読み取ることが必要になります。
反対にスタッフも、利用者に対し言葉だけではなく、表情や動作で伝え返すことが求められます。
スタッフと利用者がコミュニケーションを取る意味は、業務の流れを円滑にし信頼を得ることです。
利用者だけでなくその家族とのコミュニケーションも大切であり、目に見えない信頼関係を築いていかなければなりません。
コミュニケーションが十分にとれていなければ、利用者だけでなく家族からも、このスタッフになら大切な家族を任せることができると安心してもらうことはできないでしょう。
そのため、利用者や家族とコミュニケーションをしっかりとることで、トラブルを未然に防ぎ、スタッフとしての立場や介護施設なども守ることにつながると理解し行動することが必要です。
介護現場でのコミュニケーションは、まず利用者の声に耳を傾ける聞き上手を意識することから始めましょう。
そのときに注意したいのが次の3つです。
利用者との会話において、黙ってうなずきながら相手の話を聞くのみで会話が成立することがありますが、悩みや不安などに対ししっかりと耳を傾ける「傾聴」が大切です。
利用者との会話で、相手と同じ状況をイメージしながら、ともに喜んだり悲しんだりなど同じ気持ちを感じとりましょう。
それが自然と表情や行動にあらわれることで、最初は警戒していた利用者でも、コミュニケーションにも変化があらわれるようになるはずです。
利用者の現在の状況をありのまま受け止め、新しい対応を考えていくことも必要となります。
介護施設には色々な利用者がいるため、中には驚きの行動を取ることもあるでしょう。
しかしそのときにも、頭から否定や批判するのではなく、まずはありのままの状況を受け止めていくことが必要です。