老人ホームを運営している介護事業者は、施設の入居率アップに向けて様々な対策や取り組みを行っていることでしょう。
退去する方がいても入居する方もいれば、稼働率が上がることになります。人気が高く入居待ち期間が長い施設もあれば、空きが多い施設もありますが、全国的に見れば民間の介護施設数は増えているため、入居しやすくなっている状況といえるでしょう。
高齢者は今後ますます増加し、介護難民も増える可能性が指摘されている中で、施設に入居しやすい状況は喜ばしいといえますが、介護事業者にとっては競争激化にどのように勝つか考えなければならない状態とも考えられます。
老人ホームの稼働率は、施設の定員数に対する利用者数の割合の程度をあらわします。
施設が提供するすべてのサービスについて、入居者が満員状態の利用率で運営したときの収入が上限といえますが、その上限に近づけることが稼働率を高めることといえます。
特別養護老人ホームなどは終末期まで過ごすことのできる長期入所型の施設ですが、亡くなるまで利用可能ということは入居者が固定され変動がないことをあらわします。
そのため稼働率は100%近くなることが一般的です。
しかし入退去が頻繁な施設の場合では、稼働率が乱高下しやすくなるため、稼働率を高める様々な工夫が必要となるでしょう。
稼働率が低下している施設があれば、なぜ低下しているか原因を調査・分析し、改善させたり見直したりすることが施設を存続させる上で必要となるといえます。
老人ホームの稼働率が低下してしまう理由として挙げられるのは、
・地域に高齢者数が少なくなっているため、ニーズ自体が低下していること
・人気の競合他社が近隣にある
・施設で働くスタッフが不足しており新たな入居者を受け入れることが困難
・入居者が病院に入院したため、その間、入居者のサービス利用がなくなるため
などです。
入居者が病院に入院するといったケースでは、その期間が長期化すると施設の収入はマイナスになりやすくなります。
また、新型コロナウイルス感染拡大の影響でもあったとおり、感染症が流行したことで施設自体が新規の入居者を受け入れないケースも、空きベッドを作ってしまうことになるでしょう。
いずれにしても稼働率を高めるためには、なぜ低下しているか原因を分析し、その原因を改善させる取り組みを検討することが必要です。