介護士は離職率が高く、雇っても定着率が悪いといったネガディブなイメージを持たれやすいですが、実際にはどうなのでしょう。
そこで、他の職種と比較したときの介護士の定着率などについて説明していきます。
介護労働安定センターが平成29年度に実施した「介護労働実態調査」による介護士の離職率は、年間16.2%とけっして低くない数値です。
他の職種の平均離職率は、厚生労働省が行った雇用動向調査で確認できますが、その内容を見ると14.9%だったため、やはり少し高めといえます。
ただ、それほど大きく差があるともいえず、極めて高いというわけではありません。
宿泊業・飲食サービス業は30%、生活関連サービス業・娯楽業は22.1%だったため、介護士よりもさらに高い離職率の仕事もあります。
しかし介護士に関しても定着率がよいとはいえないため、長く勤めてもらうための工夫や改革が必要であるといえるでしょう。
介護職に就いたものの、辞めてしまう理由は人それぞれですが、主に次のようなことが関係していると考えられます。
介護職は自分だけで仕事するというよりも、いろいろな職種がチームになり利用者を支えます。そのため他のスタッフや利用者との人間関係がうまくいかなければ、ストレスに感じ辞めてしまう方もいるようです。
キツい仕事なのに給与が安いといったイメージが定着していることも、、介護職の離職率を上げている理由として考えられます。
介護事業所によっては、早朝や夜勤も含めたシフト制の勤務で働くことになり、不規則な時間帯で働かなければならないことにストレスを感じる方もいます。
「介護職員処遇改善加算」とは、介護職の労働環境を改善させるためのもので、一定条件を満たした事業所には介護職員の賃金を改善させるためのお金が支給されます。
加算Ⅰ~Ⅴと5つに区分されており、加算Ⅰが最も厳しい要件となっていますが、加算点数も多いというメリットがあります。
どの区分かによって要件はそれぞれ異なり、加算される点数も変わってきます。
このような処遇改善の制度を活用し、給与に不満を抱える介護職の方たちが離職しないような手続を取っておくことも、定着率向上には必要なことといえるでしょう。