介護福祉事業情報ラボNursing care work Information Lab

介護事業者が介護労働者の労働環境を改善させるときのポイント

2022.07.10
分類:総務

日本の労働環境は売り手市場といわれていますが、介護業界も人材不足が深刻化しているため、全体的な求人倍率も高めです。

一般企業では賃上げに労働環境改善などで人員を増やそうとする工夫や定着率の向上を図っていますが、介護業界は人材不足の深刻化だけでなく介護保険制度自体の崩壊も危惧されています。

そこで、介護人材の確保のために欠かせない、介護労働者の処遇制度や労働環境の見直しのポイントについて説明していきます。

介護労働者が現場で抱えている苦悩

基本的にどの介護施設も人手不足の状態であるため、日々の業務をこなすだけで精一杯という場合も少なくありません。

現場目線で介護職の労働環境が改善しないのは、人手が足らずに日々の業務がギリギリの状態であることや、人を雇用してもすぐ辞めてしまうこと、未経験者などが多く現場に慣れたスタッフの負担が大きいことなどがあるようです。

現場にある程度スタッフ人数がそろっている場合でも、業務が一定の職員に集中してしまえば、負担が大きくなり現場は回りにくくなります。

職員が不満を溜めると、職員同士の人間関係にもヒビが入りやすくなり、業務遂行に支障をきたすだけでなく人間関係の悪化を理由に退職者を増やす可能性も出てきます。

さらに24時間体制の介護施設では夜勤なども必要となるため、完全に体を休めることができない状態で日勤業務につかなければならないなど、過労の原因になるリスクも高めます。 

法律上の最低限必要とされる人数で現場を回そうとする介護事業者も存在するため、介護現場の職場環境はなかなか改善が進んでいないといえるでしょう。

 

介護労働者を定着させるための3つのポイント

厳しい労働条件と労働環境にある介護現場ですが、介護労働者を定着させるためには次の3つを見直すことがポイントとなります。

責任の範囲の明確化

職員を評価することができれば、モチベーションアップにもつながり、現場にも活気がでます。

評価制度を設けるためにも、仕事の役割や必要なスキル、責任の範囲などを明確化しておきましょう。

職員がスキルを向上させたいという場合には、スキルアップにつながる資格取得制度を設けるといった方法もあります。

成果に見合う処遇の改善

仕事に対する適正な評価を行い、評価した内容に基づいた待遇改善を行いましょう。

仕事ぶりや能力に対する評価をするのなら、処遇も改善をしなければモチベーションは保てません。

人件費は大きな経費ですが、必要に応じて給与・賞与など目に見える形で貢献することも必要です。

給与規定の明確化

賃金の規定を明確化することは、施設と職員の信頼関係を保つためにも必要です。

規定のもとで賃金を決定していれば、昇給や賞与の規定を共有し安心して働くことができます。