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介護事業者が定めておきたい就業規則と労務トラブル回避ために必要なこととは

2022.08.02
分類:総務

厚生労働省は、介護事業所で働く従業員の労働基準関係法令や雇用管理について、雇用環境に合わせた「介護労働者の労働条件の確保・改善のポイント」を公表しています。

この中には、介護事業所における「就業規則」についても紹介されていますが、介護事業者が定めておきたい就業規則と、労務トラブル回避のために必要なことについて解説していきます。

就業規則とは

就業規則とは、職場で定めているルールや労働条件であり、労働者に一律に適用されます。

就業規則に記載するのは事項として、

・必ず記載が必要になる「絶対的必要記載事項」

・定めた場合に記載しなければならない「相対的必要記載事項」

がありますが、それぞれ次のような内容です。

必ず記載が必要になる「絶対的必要記載事項」

絶対的必要記載事項に含まれるのは、

・労働時間に関する事項(始業・終業・休憩・休日・休暇などに関する事項)

・賃金に関する事項

・退職に関する事項(解雇・定年制含む)

などです。

定めた場合に記載しなければならない「相対的必要記載事項」

もし会社の制度として定めた場合には、記載が必要になる相対的必要記載事項として、次のことが挙げられます。

・退職金に関する事項

・賞与など臨時の賃金に関する事項

・労働者に負担させる食費・作業用品などに関する事項

・安全衛生に関する事項

・職業訓練に関する事項

・災害補償に関する事項

・表彰・制裁などに関する事項

・その他事業場のすべての労働者に適用される事項

 

就業規則の作成と届出が義務づけられている事業者とは

就業規則は、常時10以上の労働者を使用している場合、必ず作成して所管の労働基準監督署長に届出することが必要です。

なお、就業規則に変更があった場合にも届出が必要となります。

事業場の人数でカウントするため、たとえば介護事業所と保育所を運営しているときには、事業所と園それぞれで常時10人働いているときに、各就業規則を作成し届出することが必要です。

労働者に含まれるのは正社員だけでなく、パートやアルバイトも対象なので注意しましょう。

 

就業規則は周知を徹底することが重要

就業規則は単に定めたり作成したりすればよいのではなく、労働者に周知することが必要です。

いつでも労働者が就業規則を確認できるように、簡単に閲覧できる場所に備えることになりますが、次の方法が用いられます。

・作業場ごとに掲示し備え付ける

・書面を労働者へ交付する

・電子的データで記録し常時確認できるパソコン機器など設置する