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福祉・介護業界で雇用が進まない現状とは?人手不足が解消しにくい原因を紹介

2025.04.12
分類:総務

福祉・介護業界は、雇用が進まないため、慢性的に人手不足と言われています。

 人手不足解消に向けて、若い世代の入職者を増やす工夫をすることや、現場で働く職員が不満を感じることのない職場環境の整備が必要です。

 そこで、福祉・介護業界で雇用が進まない現状について、人手不足が解消しにくい原因を紹介します。

福祉・介護業界の雇用が進んでいない現状

 福祉・介護業界の雇用が進んでいない原因として、賃金などの処遇面の改善ができていないことが挙げられます。

 これまでも介護職員処遇改善交付金の支給や、介護職員処遇改善加算などが行われてきました。

 処遇が十分な水準と言えないため、人材不足改善につながっていないといえます。

 介護職の人材不足に加えて、地域偏在の問題もあり、多くの地方都市の有効求人倍率は2.5倍前なのに対し、首都圏・東海・関西などの都市部では4倍以上となっています。

 都市部と地方では大きな開きがあるものの、どの地域でも雇用は進んでいない現状です。

  

人手不足の原因

 介護業界の人手不足の原因は、離職率が高いことが挙げられます。

 K(きつい・汚い・危険)の現場でありながら、低賃金であるため、労働と賃金が見合わないことで不満を抱え、辞めてしまう職員も少なくありません。

 しかし実際のところ、離職の原因で最も多いのは人間関係です。

 人間関係さえ良好であれば、妊娠や出産などのライフイベントがあっても、職場復帰して働き続けたいと考えられるでしょう。

 介護現場は、一緒に働く職員以外にも、利用者やその家族との人間関係も重要です。

 また、介護職員以外にも、医師や看護師、リハビリ専門スタッフや事務員など、いろいろな職種の人との関わりもあります。

 低賃金や3Kが人手不足の原因とイメージされやすいものの、実態は少々乖離していることが現状です。

  

 公平な評価制度を設けることが必要

 離職理由の多くが職場の人間関係と考えられるものの、介護現場だけでなく、保育士や看護師などのエッセンシャルワーカーにも共通する傾向が見られます。

 また、現場で仕事の評価基準が明確に定まっていないため、能力差や仕事ぶりなどが正しく評価されず、不満を抱えて辞めるケースもあるといえます。

 現場の人材の雇用を進め、人手不足を解消するためには、円滑な人間関係を築くことと仕事の評価基準を整備することが求められます。

 昇格につながる評価も、勤続年数や年功序列になりがちなら改めるべきです。

 正しく評価されなければ、新しく人を雇用してもすぐに辞めてしまう問題を抱えるため、改善に向けた対策や取り組みを進めていきましょう。