介護職の給与は、資格・勤続年数・地域・施設規模などで異なります。
給与基準は、従業員に納得感を与え、企業の安定した経営を支える上で重要な要素といえます。
報酬の公平性と透明性を確保し、安心して働くことのできる環境整備につながれば、労使トラブルを未然に防ぐことにもつながります。
介護施設は、人材確保が急務となっているため、安定した経営基盤の構築のためにも、適切な給与設定に向けた給与基準を把握しておきましょう。
そこで、介護職の給与基準について、必要な項目と作成における注意点を紹介します。
給与基準とは、従業員の給与に関するルールの定めです。
企業が従業員に支払う賃金に関して、遵守すべき明確な基準といえます。
労働基準法にお基づいた内容が盛り込まれ、従業員の雇用形態や職務内容なども考慮しつつ、適切な賃金の支払いが求められます。
従業員の報酬の公平性や透明性を担保する基準であるため、企業の安定経営やモチベーション維持に欠かせません。
給与基準に含まれる項目は以下のとおりです。
・賃金の決定方法
・基本給・各種手当の計算方法
・昇給基準とその時期
・賞与の支給基準と時期
・賃金の支払い方法(銀行振込・現金支給など)
・支払い期日
給与基準の作成においては、以下を考慮することが必要です。
・法令遵守(労働基準法)
・雇用形態
・職務内容
・会社の業績・経営状況
・市場の賃金水準
・従業員の満足度
給与基準の作成は、労働基準法に沿った内容にすることが必要といえますが、以下の原則を満たした上で独自の給与体系を構築することが必要です。
労働基準法では、賃金の支払いにおける以下の原則が定められています。
・法定最低賃金以上
・時間外労働の割増賃金
・休日労働の割増賃金
・深夜労働の割増賃金
・休業手当
また、従業員が納得できる給与基準の作成に向けて、次を考慮することが必要です。
・公平性を確保する
・透明性を確保する
・同じ職種・経験・能力を持つ従業員は同等の給与とする
・給与体系の基準を明確化する
・納得を得られる設定とする
・従業員の努力・成果の評価を給与へ反映する仕組みを構築する
・給与に関する情報公開を積極的に行う
常に、社会情勢や経済状況は変化をしているため、給与基準も会社の経営状況などを考慮しつつ、適切な水準へと見直しが必要になります。