労基署とは、労働基準監督署の略称です。
労働者の労働条件や職場環境の改善を図る機関であり、厚生労働省の第一線機関として、労働基準法や労働安全衛生法などの法律に基づいた活動を行っています。
介護事業者が注意したいのは、労基署による立入検査です。
立入検査による調査は、労働基準法に基づく行政上の権限で定期的に実施されます。
労働者からの申告で契機に行われる場合もあり、拒否はできません。
そこで、労基署の立入検査について、介護事業者が知っておきたい検査内容や流れを紹介します。
労基署の立入検査とは、労働基準監督署の監督官が、介護事業所を訪問して労働基準法などに違反していないか確認する調査です。
労働基準法・労働安全衛生法・最低賃金法などの法令に違反はないか、その有無を調査し、必要に応じて指導も行われます。
労働関係の帳簿確認や、事業主または担当者へ聞き取り調査を行い、労働関連の法令に違反していないか確認します。
なお、労働者派遣法は労働局の需給調整事業部の管轄であるため、定期的に派遣会社や派遣先の訪問による指導が行われています。
労働基準監督署の立入調査は、調査の種類により内容が異なるものの、一般的には以下の項目に関して確認が行われます。
・労働条件
・労働時間
・賃金
・年次有給休暇
・安全衛生管理
・健康管理
労働基準監督署の調査は、原則、予告なしで実施されるとされています。
前もって予告をすると、労働環境の実態の確認が難しくなるからです。
ただし、実際は、調査を行う日時や、準備しておく必要のある帳票類などを、電話などで前もって通知してくれることが多いといえます。
監督官が予告なしに訪問した場合でも、原則として拒否はできませんが、担当者や責任者が不在のときや、急に対応できないときは丁重に日程変更を願い出ることで応じてもらえます。
立入調査までは出頭要求書などの通知を送付後、労働条件自主点検表や帳票類を労働基準監督署まで持参した上での調査になる場合もあります。
基本的な立入調査の流れは、事業所を訪れた労働基準監督官が自身の身分を明確にし、調査の趣旨や目的を説明してスタートします。
法律違反などの事実が認められ、指導が必要と判断されたときには、是正勧告書または指導票、使用停止命令書が交付されます。
交付された書類に基づいて、改善期日までに指摘内容を改善し、報告書を提出することが必要となります。