介護離職とは、介護が必要な家族のために、仕事を辞めることです。
高齢の親などが介護を必要とする状態となったとき、仕事と介護の両立ができずに、仕方なく退職ケースが該当します。
管理職や責任のある立場の方が介護離職を選択すると、職場や社会へのダメージが大きいといえます。
高齢者人口が増えているため、介護が必要な方も増加傾向にあり、働き盛りの世代が介護離職を選ばなければならないケースも見られます。
そこで、介護離職について、退職する理由や防ぐための支援制度を紹介します。
介護職が退職する理由として、以下が挙げられます。
・職場の人間関係に問題がある
・ライフステージが変化した(結婚・出産・育児など)
・仕事と賃金が見合わない
・事業所の方針や運営に不満がある
・将来の見通しがたたない
介護業界全体の離職率は、他業界と比べて極端に高いわけではありません。
介護職の働き方や労働環境が、価値観やライフスタイルと合わないと感じたとき、退職を決意するケースが多いようです。
介護離職防止に向けた支援制度として、以下が挙げられます。
・介護休業制度
・介護休暇制度
・短時間勤務制度
・時間外労働の制限
それぞれ説明します。
介護休業制度とは、介護を必要とする家族1人につき、通算93日まで最大3回に分けて休業できる制度です。
家族がケガや病気、または身体・精神の障害で、2週間以上に渡り継続した介護を必要とするときに利用できます。
介護休業中に要件を満たせば、雇用保険から休業前の賃金の67%程度の介護休業給付金が支給されます。
介護休暇制度とは、介護を必要とする家族1人につき、1年度5日まで(対象家族2人以上で1年度10日まで)の休暇を取得できる制度です。
1日単位または1時間単位で利用できます。
以下のいずれかの制度を導入することが事業者に義務づけられています。
介護を必要とする家族1人につき、利用開始から3年間で2回以上利用できます。
・短時間勤務制度(日単位・週単位・月単位で勤務時間や勤務日数を短縮する制度)
・フレックスタイム制度(3か月以内の一定期間に定めた総労働時間の範囲で従業員が始業・終業時刻を自由に決めて働く制度)
・時差出勤制度(1日の労働時間は変えずに始業・終業時刻を前倒しもしくは後ろ倒しする制度)
・介護サービス費用の助成制度(従業員が利用する介護サービス費用を助成または準じた支援を行う制度)
所定外労働の制限は、残業を免除する制度です。
従業員が家族の介護をするときに所定外労働の制限を申請すれば、従業員に残業をさせることはできません。