
介護福祉事業では、サービスの質向上と維持のために、現場の人材確保は欠かせません。
しかし、介護福祉事業の収益の大半は介護報酬のため、売上を急激に拡大させにくいといえます。
人件費の適正管理やコントロールが、介護福祉事業経営における鍵になると考えられるでしょう。
そこで、介護福祉事業の人件費について、現状や介護報酬との関係を解説します。
介護福祉事業における人件費は、経営全体でかかる支出の多くを占めます。
収益とのバランスを保つことが重要といえますが、人件費の現状は以下のとおりです。
・人件費率の適正な目安
・業種による割合の違い
・人件費が高騰する背景
介護施設の売上高に対する人件費の割合は、50〜60%前後が適正な水準の目安です。
施設系介護は、設備の維持費や食材費などの費用負担が大きいため、50%前後の人件費率が目安です。
人件費が高騰する背景
介護人材は慢性的に不足しているため、採用コスト上昇や賃上げなどの改善が求められており、高騰しています。
介護福祉事業の収入源は介護報酬ですが、人件費との関係は以下のとおりです。
・公定価格による売上制限
・加算取得による単価アップ
公定価格による売上制限
介護報酬は国によって定められているため、事業所独自にサービス価格を値上げしにくく、売上も制限されやすい仕組みといえます。
加算取得による単価アップ
処遇改善加算などの各種加算を取得することは、従業員の賃上げや収益増加に繋がります。
介護福祉事業では、人件費を適切に管理することが大切です。
人件費管理は、コスト削減や生産性向上を同時に図る上で欠かせませんが、以下において重要といえます。
人材不足による機会損失
給与水準を適切に管理できておらず、低賃金を理由に人材の離職が増えると、人員基準を満たせなくなることでサービス提供できなくなり、売上は減少します。
過剰な残業代の発生
業務の属人化や、非効率な作業で残業代が膨らめば、人件費負担が大きくなるため経営を圧迫します。
介護福祉事業が、人件費を捻出しつつ利益を確保するには、以下のICTやシステムの導入も検討できます。
・介護ソフトや記録システムの導入
・見守りセンサー等の活用
・業務分担の見直し