介護福祉事業情報ラボNursing care work Information Lab

介護施設の職場環境を改善させれば人材不足問題も解決される?

2020.08.23
分類:総務

日本は少子高齢化が進んでいますが、さらに今後も進展を続けていき、2025年には団塊の世代が75歳に達し後期高齢者となります。

それにより、介護護人材は37.7万人不足することが見通されていますが、ただでさえ人手不足の状況の中で介護離職ゼロを実現させなければならない大きな課題に直面しているといえます。

介護サービスを担う人材を多く確保し、定着させるためには賃金格差や昇給など賃金処遇面の問題を改善させることはもちろん、今現場が抱えている問題を改善させることも必要と考えられるでしょう。

改善するべき介護スタッフの抱える不満

介護現場で働く方たちが抱えている不満として挙げられることが多いのは、

・仕事内容に見合わず賃金は低い

・有給休暇を取得しにくい

・身体的な負担が大きい

・労働時間が不規則

といったことなどです。

いずれも職場環境に対する不満などが多く、離職につながる大きな要因となっているものが賃金問題だけにとどまっていないことを示しています。

介護スタッフの抱えている心身に及ぶ負担を軽減できるように、業務の効率化や職場環境改善への取り組みが重要といえるでしょう。

 

現場で活用するはずのマニュアルが整備されていないことも

介護業界は他産業よりも有効求人倍率が非常に高い状況ですが、これは人手が足りていない現状をあらわしています。その人手不足に加え、介護技術の標準化が図れていないといった問題も起きているようです。

たとえば施設側が新人スタッフ向けに配布していたマニュアルが、施設の種類に合ってないものであるケースや、マニュアルに記載されている介護技術なども入職時に習得していることを前提とした記述になっているケースなど、初めて介護職に就くスタッフには理解しにくい内容になっていることもあるようです。

このような問題が起きてしまうと、介護現場では利用者の特徴にあった介護技術などはその場で都度決めなければならず、介護技術の統一化を図ることができません。

このような場合、施設の種類に合った介護マニュアルを作成し、マニュアルの項目ごとに役割分担する対応が必要です。

さらに新人スタッフに向けたチェックリストなども、すべてのフロアに共通する新人でも達成しやすい内容に見直すといったことを行う必要があります。

 

充分に休憩時間を取ることができない問題を改善

介護記録などの記入・作成に時間がかかり、休憩時間を十分に取得できない上に、残業時間も多ければ介護スタッフの不満も溜まります。

なにより休憩を取れないことで疲労が蓄積されやすくなり、長く働き続けることが難しくなるでしょう。

たとえば入浴支援を担当する時間帯などに、特定の職員に業務が集中してしまうといったことが起きているのなら、担当するスタッフの体制を2名に変更するなど対応が必要です。

複数の介護スタッフによるローテーションをうまく組みながら、一定の介護スタッフだけの負担が重くならない配慮を行うようにしましょう。