介護事業を始めるときには様々な費用がかかり、人材雇用や育成、設備の導入や職場環境の整備など、いろいろなことを行わなければなりません。
これらの費用を支援するためにどのような助成金や補助金があるか探す前に、まずは助成金と補助金の違いや内容を把握しておきましょう。
助成金や補助金が支給されると、介護施設などで事業を立ち上げようとする方の資金面の不安を払拭することができます。
まず助成金とは、企業・民間団体・個人事業主などに対し、国の政策目標達成に向け交付される資金です。
主に雇用を対象とするものがメインとなるため、厚生労働省が管轄していることが多いですが、地方自治体や公的な団体が独自で行っている制度もあります。
助成金の場合、申請要件を満たしていると認められれば、事前に定められた金額を受け取ることが可能です。ただし支払われるのは後払いとなることが多いため、まずは手元に資金を確保しておくことも必要といえるでしょう。
随時募集されているものから、期間の定めがあるものなど、助成金の種類は様々ですので、どのような種類の制度があるか常に最新の情報を入手するようにしたほうが安心です。
補助金も助成金と同じく、行政上における目的を達成するため企業や個人事業主などに支給される資金です。
主に創業支援や設備投資に対する資金を補助する制度のため、関経済産業省が管轄していることが多いといえます。ただし地方自治体や公的な団体などの実施している制度もあるのでチェックしてみましょう。
補助金の場合、実際に支払った金額に対する一定割合などが支給されることが多く、上限も定められていることがほとんどです。
助成金同様に、後払いが基本となっているため一旦は自己資金で立替を行うことが必要となるでしょう。
補助金の募集期間は1か月程度と比較的短期なので、募集がいつ開始されるのか最新情報を随時確認することが必要です。
そして補助金は要件に合っている場合でも、審査に通らなければ支給されない点も注意しておきましょう。
介護施設などで使える制度には、介護スタッフの負担を減らすために導入した介護機器、また業務効率化を目的に導入したITツールなどの費用を支援するものなどがあります。
たとえば「人材確保等支援助成金 介護福祉機器助成コース」がその例で、介護スタッフの身体的負担を軽減するため新しく介護福祉機器を導入・運用することで支給されます。
労働環境改善がみられた場合は機器導入助成を、従業員の離職率低下が図られた場合には目標達成助成が支給の対象となるので検討するとよいでしょう。