介護施設を利用しようと考える方は、様々な基準を目安にしながら施設を選ぶことになります。
その中で、自分や家族がこれから生活する場となるのだから、十分に教育が行き届いたスタッフがそろっているところが安心と考えるのは自然なことです。
介護施設は資格がなくても介護スタッフとして働くことは可能なので、働きだしてからの教育・研修が充実しているかによって、現場で適切に質の高い介護サービスを提供できるか左右します。
施設に人員や時間など余裕がなければ、教育や研修に力を入れることは難しくなるでしょうが、基本的な研修は手を抜かずに開催ししっかりと社員教育することに努めましょう。
スタッフ教育や研修の内容はいろいろですが、身体介護の技術だけでなく高齢者特有の疾患や認知症、看取りなど様々なことを広く学んでもらうことが必要です。
入所した介護スタッフのこれまでの経験や保有する資格などで、教育や研修の内容は変わりますが、どのスタッフでも共通して受けることになるのは医療・福祉の最新の動向を学んだ上で必要とされる技術・知識についてです。
そして経験によって異なる教育や研修については、主に次の内容で実施されます。
新卒であれば社会人としての基本から教育することとなり、中途社員であれば経営理念から始まります。いずれの場合も早く戦力として現場で活躍してもらえるように、介護全般の知識や実践方法、仕事における進め方などを教育することになるでしょう。新人研修は3日~1か月など、期間は介護施設によって差があります。
中でも卒業したばかりの新社会人や、初めて介護業界で働く方には、虐待や身体拘束廃止などの取り組みについて力を入れ教育するところが多いようです。
すでに経験のある中堅スタッフ研修は半日から3日程度実施されることが多く、介護全般の知識や理解をさらに深めてもらえるように、後輩育成・課題発掘・解決・業務改善への取り組み方など将来のリーダーを育成することを目的に教育が行われます。
管理職やリーダーという立場になるため、組織を動かすリーダーシップ論・経営管理・労務管理・危機管理といったマネジメント手法の教育が行われます。施設運営を行うための教育であり、1~3日程度を目安に研修が実施されることが多いようです。