介護福祉事業情報ラボNursing care work Information Lab

介護施設の現場で働くスタッフを育成する上で必要なことは?

2020.12.20
分類:総務

介護現場で働くスタッフに対し、どのような能力を養っていけばよいのか、スタッフ育成に悩む事業者も少なくないことでしょう。

せっかく人材を採用したのに、育成がうまくいかず現場で対応できなければ意味がありません。

そこで、介護施設でどのように従業員を育成していくべきなのかご説明します。

介護現場で研修を行うポイント

実際、介護施設などの現場ではいろいろな研修が実施されています。

人材育成については制度面でみたときも、たとえば訪問介護の特定事業所加算取得のときに現場ヘルパーに対する研修計画策定が要件になっているなど、積極的な取り組みを求められることが多いといえるでしょう。

ただ、人材育成で大切なのは計画的に行うことで、介護現場で利用者に提供するサービスの質向上に結びつけることです。

サービスの質を向上させるために必要な能力を見極め、鍛えていくことがポイントとなります。

 

介護スタッフのどこを育成するべきか

介護スタッフの技能を向上させることを考えると、たとえば利用者の体位交換をスムーズに行うことや、安全に移動・移乗させるための介助など身体に覚えさせる技術をメインとして考えてしまいがちです。

ただし利用者の心身の状態はそれぞれなので、研修などによる基本的な介護技術を確認しながらサービスの質向上にどのようにつなげていくかを重視していくことが必要といえるでしょう。

そのため、身体で覚える技術はもちろんのこと、利用者の状況を正確に察知する洞察力と、抱える課題を解決できる思考力を伸ばすことが必要です。

 

具体的にどのような育成方法が必要?

これらの基礎能力を育成する上で、座学スタイルを数時間行うだけでは無理があります。

研修後にも自発的に介護スタッフが自身を高めることを意識し、それを継続させることが必要となるでしょう。

そこで、初期研修が終わった後に、実際の現場のどのような場面でその能力を発揮させればよいのか指導していきましょう。

現場リーダーなどが見守る中、ベッドから車いすに移乗する介助を実際に介護スタッフに行ってもらいます。その後ミニカンファレンスを実施して、利用者の状態で気がついたことは何か、なぜ移乗する上で声掛けや体の支え方などを行ったのかケアの根拠を確認していきます。

もしうまくできない場合には、なぜできなかったのかその原因を確認し、もし技能の未熟さや心身の不安定などがあるのなら改善させるためにどうすればいいか考えてもらうことが必要です。

大切なのは、今自分が利用者に対して行うケアの意識化を図ることといえるでしょう。