介護福祉事業情報ラボNursing care work Information Lab

介護施設で労務トラブルが発生しないよう就業規則の規定と周知を

2021.03.04
分類:総務

介護施設など介護事業所で従業員を雇用するときには、雇用管理に関する決まりを就業規則で規定しておくことが必要です。

厚生労働省でも、介護事業所の雇用環境に合った労働条件を確保・改善についてポイントを絞って公表しているため、どのような就業規則であれば問題ないか把握しておきましょう。

そもそも就業規則とは?

就業規則は職場の服務規律などのルールや労働条件などを規定したもので、労働者に一律に適用されます。

無期契約と有期契約の労働者など、労働者ごとに異なる内容の就業規則を作成することもありますが、いずれにしても内容として必ず記載することが必要な絶対的必要記載事項と、決まりとして定めるのなら記載が必要となる相対的必要記載事項があるため注意してください。

絶対的必要記載事項と相対的必要記載事項の違い

絶対的必要記載事項として挙げられるのは、

・労働時間に関する事項

・賃金に関する事項

・退職に関する事項

などです。

それに対し相対的必要記載事項とは、

・退職金に関する事項

・賞与等の臨時の賃金に関する事項

・労働者が負担する食費や作業用品などに関する事項

・安全衛生に関する事項

・災害補償に関する事項

・職業訓練に関する事項

・表彰・制裁等に関する事項

・その他労働者に適用される事項

などが挙げられます。

介護現場などで働く従業員の労働条件を定めることを目的としており、法律や労働組合などとの協約に反する内容は規定できず、仮に定めていたとしてもその内容は無効という扱いです。

そして就業規則で定められた条件は最低基準であり、労働契約が就業規則を下回るときにはその下回る部分の契約は無効となります。

就業規則で規定されている内容と実態がかけ離れていると、後々労働条件を巡って事業者と従業員間でのトラブルが発生することもあるため、適度に見直しを行いましょう。

 

就業規則は周知させることが必要

就業規則は単に定めておけばよいのではなく、介護施設など現場で働く労働者に周知することが必要です。

もし従業員が就業規則を確認したいという場合には、すぐに確認できるよう各現場に掲示するか、備えつけておくようにしましょう。

もしくは就業規則の書面を労働者に交付する方法や、電子データとして記録しその内容を常時確認可能とするパソコンなど設置しておく方法もあります。その場合、どこに設置したのか従業員に周知し、いつでも確認可能とすることが求められます。