介護福祉士養成課程のカリキュラム改正により介護実習指導の内容などが変更されているため、それに対応した実習が行われていることを介護事業者も把握しておきましょう。
新しい教育内容に対応した新カリキュラムによる実習は、2019年4月から大学などの4年課程から順次導入されており、短大や専門学校など2年課程の学校では2021年度から導入となっています。
ただし介護実習においては、すでに新しい介護実習を取り入れている学校も少なくないようなので、どのような内容になっているか確認しておきましょう。
介護福祉士養成課程で改正された新しいカリキュラムでは「介護実習」に対し、
介護過程の実践的展開
多職種協働の実践
地域における生活支援の実践
という3つの教育に含むべき事項が示されています。
そのため新しいカリキュラムに対応した介護実習指導研修では、これらを踏まえ介護実習においた指導のあり方を学んでいくことになります。
新カリキュラムの介護実習における教育に含むべき事項、そしてその留意点や想定される教育内容は次のとおりです。
留意点…介護過程の展開を通し対象者を理解しつつ、本人主体の生活・自立を支援する介護過程を実践的に学ぶ内容にすること
想定される教育内容…実習を通した介護過程の展開
留意点…多職種と協働する中で介護福祉士の役割を理解し、サービス担当者会議やケースカンファレンスなどで多職種連携やチームケアを体験的に学ぶ内容にすること
想定される教育内容…実習を通した多職種連携の実践
留意点…対象者の生活やり地域との関わり、地域における生活を支える施設や機関の役割を理解し、地域での生活支援を実践的に学ぶ内容にすること
想定される教育内容…対象者の生活と地域との関わり、地域拠点とする施設・事業所の役割など
介護実習指導者は、再び介護実習指導者講習を受けなおす必要があるのかという疑問を感じる方もいるでしょう。
制度上、受けなおしの必要はありませんが、新たなカリキュラムでは介護実習に追加されている内容もあるため、適切な指導において追加されている内容を理解しておくことが必要です。
介護福祉士実習指導者講習は受講してはいるけれど、介護福祉士養成課程のカリキュラムの改正が行われたことを知らなかったという場合もあるでしょう。
その場合には、新たなカリキュラムに対応した適切な指導を行うことができるようにしておいてください。