創業してから十数年間、同じ介護事業者が取締役として役員を続けているため、役員変更の登記など必要ないと考える方もいるようです。
しかし介護事業を株式会社で行い、介護事業者の役員としての任期が満了しているときには、たとえ同じ方が継続して役員を続ける場合でも役員変更登記が必要となります。
これは株式会社だけでなく、一般社団法人や一般財団法人も同様なので忘れないようにしてください。
株式会社の場合、役員には任期の定めがあり定款に規定されています。
定款に規定がなければ、取締役は約2年・監査役は約4年という法律上の任期で満了します。
一般社団法人や一般財団法人も、役員に任期の定めがあり、こちらも定款に定めがなければ理事は約2年となり、監事・評議員は約4年で任期満了となります。
任期満了により辞めるときには2週間以内に退任の登記を行い、後任者を選任したときには新たな役員の就任登記も併せて行います。
役員を続ける場合でも、任期が満了する都度、2週間以内に役員変更登記が必要となるので忘れないようにしてください。
有限会社や合同会社の場合、法令上、役員に任期の規定はありません。
定款であえて役員の任期を規定しているときは別ですが、そうでなく役員継続するときには特に役員変更登記は行わなくてよいといえます。
役員変更登記を必要とするケースとは、たとえば次のようなときです。
・新しく役員が就任するとき
・任期が満了するとき(株式会社・一般社団法人・一般財団法人)
・役員が辞めるとき
・解任するとき
・婚姻などで役員の氏名を変更するとき
・婚姻前の旧姓を登記したいとき
・役員が死亡したとき
・取締役会を設置または廃止したとき
・監査役を設置または廃止したとき(株式会社・特例有限会社)
・事業年度変更に伴い任期が満了したとき(株式会社)
これら役員変更の登記が必要とされるときの中で、婚姻や離婚などで役員の氏名が変更されるときや、事業年度変更に伴い任期が満了したときのケースは、登記そのものが必要であることを知らずそのまま放置してしまうこともあるようです。
そのため、役員に関連する何らかの変更が発生し、登記簿に記載されている内容と合致しなくなったときには、必ず登記が必要になると注意しておいてください。