夏になると、気温や湿度が高くなるため食中毒が発生しやすくなります。
暑さで体力を奪われやすい環境の中、高齢者は免疫力も低下しているため、重篤な状態に陥りやすいため注意が必要です。
高齢でも健康であれば発症することのない微量の細菌感染でも、免疫力が低下していれば食中毒を発症してしまうため集団感染を防ぐための対策が必要となります。
特に老人介護施設ではどの利用者も同じ食事をとるため、一歩間違えれば食中毒の集団感染を引き起こしてしまうリスクが高くなることを認識し、より一層徹底した対策を行うようにしてください。
老人介護施設では、食中毒を予防するために次の3つを徹底して行いましょう。
・手洗いはしっかり行う
・調理する食品はきれいに洗う
・すべての食材を十分加熱する
この3つにより、菌をつけず増やすことなく、さらに殺菌することができます。
老人介護施設で働く調理スタッフは、手についた細菌を食品に付着させないように事前のこまめな手洗いを心掛けましょう。
さらに調理に使用する器具は洗浄・消毒をしっかり行い、生肉や生魚など調理した後は包丁やまな板をきれいに洗い落とし、消毒することも必要です。
調理が終わったら食事提供までに、異物を混入させないよう密封状態と適切な温度で保管するようにしましょう。
調理スタッフだけでなく、利用者の食事介助を行う介護スタッフも事前の手洗いが必要です。
高齢者本人にも食事前に手洗いをしっかり行ってもらうように習慣づけることが必要となります。
また、高齢者の中には食べものを残すことは悪いことや勿体ないことという考えの方がいますが、後で食べようと食べ切れなかった食事をとっておいたことで、菌を繁殖させてしまうこともあります。
そこで、提供時間を過ぎた食事は提供しないことや、食事中食べ切れなかった食事を自室に持ち帰らせないことを徹底してください。
もしも利用者から吐き気や下痢・嘔吐など、食中毒の可能性がある症状が見られたときには、速やかに医師の診察を受ける手配をしてください。
他の利用者などに二次感染することを防ぐためにも、空間を分けることや吐物の適切な処理なども重要となります。
食中毒防止マニュアルと併せ、食中毒が発生したときのマニュアルも確認しておくことをおススメします。