高齢者が新型コロナウイルスに感染してしまうと重症化するリスクが高いため、高齢者施設では家族の面会をwebで行ったり人数制限したりなど、様々な対応に追われました。
感染状況は地域によって異なるため、地域の感染状況に合った対応が求められますが、家族とのつながりが遮断される利用者のストレスになるとも考えられるため、面会の人数制限など現在は緩和するケースもあるようです。
新型コロナウイルス感染拡大による影響で、クラスターなど発生させないことが重要ではあるものの、感染状況を勘案しつつ感染経路の遮断しながら、つながりや交流が利用者の心身の健康に与える影響も考慮が必要です。
そのため地域における発生状況など踏まえて、制限についても検討するべきといえます。
具体的には、地域の感染状況からどの程度制限するべきか判断し、オンラインでの面会なども実施しつつ、対面での面会も適切な感染防止対策の上で行うなどです。
感染防止対策としては、
・面会者が発熱やのどの痛み、倦怠感、嗅覚・味覚障害などの症状があるときには断る
・面会者には面会時間を通じてマスク着用と面会前後の手指消毒を徹底してもらう
・面会後は面会者の使用した机、椅子、ドアノブなど清掃・消毒する
などが挙げられます。
対策を十分講じた上で、面会時間や人数などどの程度まで許容するのか決めることが必要です。
コロナ禍で感染収束がいつになるか見通せない中、面会禁止や厳しい面会制限は利用者の負担にもなります。
利用者本人やその家族が思い描いていた最期を迎えることができない可能性もあり、コミュニケーションの機会も奪ってしまいます。
別れのプロセスを経ることのない死は、残された側にも大きな喪失感をもたらすこととなるでしょう。
死を受け入れることができずに立ち直るまで長い時間が必要になるとも考えられます。
そのため介護従事者は、死を迎える家族の心のケアも行うことが必要であり、コロナ禍の看取りで利用者本人やその家族にどのようなサポートをするべきか考えなければなりません。
死に関わるほどの状態でなくても、思うような面会ができない状況は利用者とその家族にとって大変つらいものです。
こんなはずではなかったと後悔させないためにも、利用者の家族にはもしもに備え自ら情報を集めてもらうことなどが必要となると考えられます。