介護福祉事業情報ラボNursing care work Information Lab

介護施設で起きた転倒事故で損害賠償請求されることはある?

2022.12.20
分類:リスク

介護施設に入所している家族が転倒事故でケガを負ったとき、ケアを担当していた介護スタッフに落ち度があるのではないか?と損害賠償請求されてしまうケースもあります。

実際、介護施設で起きる利用者の事故は、転落や転倒によるものが多く、その事故により骨折などのケガを負い寝たきりになってしまうこともあるため注意が必要です。

そこで、介護施設で多い転落・転倒事故などが起きる状況や、損害賠償請求される可能性について説明していきます。

介護施設で起きた事故の6割以上が転倒・転落事故

介護施設で起きる事故で最も多いのが、転倒・転落・滑落を原因とする事故で、全体の6割を超えています。

また、入所サービスの事故が全体の9割以上と、大半を占めていることも注目です。

事故による被害で多いのは骨折

介護事故で要介護者が負う被害の7割は骨折ですが、その多くは転倒・転落・滑落が原因と考えられます。

転倒・転落事故が発生した行っていた業務の種類

介護事故がのうち、転倒・転落・滑落が発生したときに介護スタッフが行っていた業務は、半数近くが見守り中に起きています。

他の利用者の介助中や室内移動中、目を離したときや移乗などで起きたケースもありますが、見守り中の事故は介護スタッフの注意が足りていなかったとも考えられます。

施設内での移動なども事故リスクが高いといえるため、段差へのつまづきや移乗の失敗など、防ぐことができる部分はしっかり対応することが必要です。

転倒・転落事故が起きてしまう原因

転倒・転落による事故が起きてしまう原因として、主に次の3つが考えられます。

要介護者本人によるもの

介護者によるもの

介護施設の設備や仕組みが関係するもの

いずれの場合でも、転倒・転落事故が起きたときには事故状況を確認することが必要です。

事故について介護施設から家族に対する説明が曖昧なときや、納得できないと判断されたときには、事故状況や原因を書面で報告するように求められる可能性もあるため注意してください。

市区町村等への報告を忘れずに

次の介護事故が発生したときには、介護施設から市区町村に事故状況など報告することが必要です。

・介護サービスの提供により利用者がケガ・死亡する事故が発生したとき

・食中毒・感染症・結核が発生したとき

・介護従業者の法令違反や不祥事などがあったとき

・与薬漏れや落薬を含む誤薬があったとき

・離設・行方不明などが発生したとき

市区町村への報告期限は、事故発生後速やかに行うことが基本であり、遅くとも5日以内が目安となるため、忘れないようにしてください。