介護施設では新型コロナウイルス感染症だけでなく、毎年多くの感染者が出るインフルエンザにも注意が必要です。
高齢者や基礎疾患のある方、持病を抱える方はインフルエンザに感染すると重篤化しやすいため、感染予防が重点的な課題となります。
そこで、在宅介護や介護施設のインフルエンザ対策で重要なことについて解説していきます。「インフルエンザ」とは、インフルエンザウイルスを病原体とした気道感染症です。
日本では11月上旬頃に発生し、12月~3月頃になるとピークを迎えます。
風邪よりも症状は重く、急激かつ強い発熱から、のどの痛み・咳・鼻水・関節痛・筋肉痛・倦怠感・頭痛などの症状があらわれます。
潜伏期間は1~4日(平均2日)で、発症後は1週間程度で快方に向かうものの、高齢者や基礎疾患を抱える方は肺炎や気管支炎を起こすこともあるなど、症状が重篤化することもあります。
介護施設は高齢者が利用しているため、比較的感染リスクの高い方たちばかりです。
感染対策は徹底されていることが多く、利用者自らが外出などしてインフルエンザに感染することはほぼないといえます。
そのため介護施設では、利用者の面会者や職員が感染経路となる可能性が高いといえるでしょう。
インフルエンザは強い感染力のあるウイルスにより引き起こす感染症です。
介護施設でインフルエンザ対策を行うときには、ウイルスを外部から持ち込まない・持ちこませないことを前提に、外部にも持ち出さないことや拡大させないことが重要といえます。
仮にインフルエンザが施設内で発生したときには、感染拡大させないことが大切です。
咳やくしゃみ、会話中に拡散されたウイルスを吸入することで感染する「飛沫感染」だけでなく、ドアノブや手すりなどについたウイルスに接触して感染する「接触感染」の対策も必要になります。
介護施設でインフルエンザ感染対策のためには、要介護者と接触する職員のうがい手洗いを徹底しましょう。
石けんをつけて洗い流すだけでなく、手についたウイルスや菌を洗い流す正しい手洗いが必要です。
また、利用者の家族も同様に、正しい手洗いを実践することが必要になります。
高齢者は肌が乾燥しやすいため、手洗いの後の保湿ケアも忘れず行うようにしてください。