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地震発生時における介護現場のリスクとは?起こりうる問題を紹介

2025.04.30
分類:リスク

日本は地震発生のリスクが高い国のため、介護現場でも万一に備えた対策が必要です。

 高齢で体が不自由な方や、認知症の方が生活する介護施設では、地震が発生したときの被害を前もって想定した上での対策が求められます。

 地震情報は素早く察知し、多忙な業務の中で、速報に注意しながら従業員自身の身も守りつつ、利用者を安全に避難させることが必要です。

 仮に避難できても、その後の避難場所で生活することが難しい利用者もいます。

 そこで、地震発生時における介護現場のリスクについて、起こりうる問題を紹介します。

地震発生時の介護現場で起こりうる問題

 地震が発生したとき、介護現場で起こりうる問題として、以下が挙げられます。

 ・自力で避難できない

・避難生活に適応できない

・健康管理ができない

・職員を確保できない

 

それぞれ説明します。

 

 自力で避難できない

 介護施設で生活している方は、移動などにも介助が必要な方も少なくないため、自力で避難できない場合もあります。

 普段は自力歩行できる方でも、地震による揺れで物が散乱し、建物が傾いている中で歩くことは危険です。

 夜間や早朝など、現場の職員数が少ないときには、より避難が難しくなる恐れがあります。

  

避難生活に適応できない

避難場所までたどり着いた場合でも、身体的に不自由である状態で、避難生活に適応できない恐れもあります。

福祉用具や現場の職員の手を借りながら生活している利用者が、十分な環境や物がそろわない中で生活を送らなければなりません。

認知症の方は、慣れない環境で混乱したりストレスを抱えたりする恐れもあるため、気を配ることも必要です。

 

健康管理ができない

長い避難生活では、ストレスが蓄積し体調を崩すなど、健康管理ができない恐れもあります。

不十分な衛生環境の避難所で、多くの人が密集した状態では、感染症リスクも伴います。

薬の確保や医療機器なども用意できなければ、利用者の生命や健康に影響が及ばないともいえません。

 

職員を確保できない

地震発生後は、現場の職員を十分に確保できない場合もあります。

被害を受けているのは施設だけではなく、施設までの道路や、職員の自宅も同じだからです。

家族が被害を受けている恐れがある中で、出勤できる職員の確保は難しいでしょう。

出勤できる職員がいても、施設までの交通手段がない恐れもあるため、介護施設における地震発生では人員確保も大きな課題といえます。