介護施設で火災事故が発生すれば、高齢者などが逃げ遅れて命を落としてしまう恐れもあります。
そのため、施設運営者には、利用者が安全に生活するための防火管理や、避難誘導計画を適切に整備する安全配慮義務が課されています。
仮に、火災報知器・消火器・スプリンクラーの設置が不十分である場合や、点検や避難訓練などが行われていなければ、被害が拡大するため不法行為責任を問われる恐れもあります。
そこで、介護施設における火災事故発生の予防方法について、考えられる対策を解説します。
介護施設で火災事故が発生すると、身体的な問題を抱えた高齢は、スムーズに避難できない
場合もあります。
火災事故による大惨事に繋がる恐れが高いといえますが、以下のリスクが挙げられです。
・夜間は人員が限られるため、初動対応の不十分さで大事故に発展する恐れがある
・利用者が逃げ遅れる恐れがある
・大地震などで消防隊がすぐに活動できない恐れがある
介護施設では、消防法や建築基準法に基づいた防火対策が求められます。
たとえば以下の防火対策が必要です。
・スプリンクラー・火災報知器の設置
・定期的な点検・整備
・避難訓練の実施
・喫煙のルール設定
・調理施設の管理
上記が不十分な場合や、夜間の勤務体制や職員数が追いついていないと、火災が発生しても避難が遅れて被害が拡大する恐れが高くなります。
火災発生で被害が拡大すると考えられるため、建物の見直しと人員を常駐させることが重要といえます。
また、火災を発生させない防止策として、以下を検討しましょう。
・ストーブやコンロなど、火を使う設備の近くに燃えやすいものを置かない
・ストーブは寝室と距離を取って使用する
・消火器・室内消火栓・三角バケツ・自動火災報知機・放送設備などの使い方と設置場所を確認する
・避難経路は2か所以上の方向で決める
・廊下・階段・出入口など避難において妨げになるものは置かない
・カーペット・カーテン・寝具は防火品を使用する
・介護レベルが高い利用者は1階の避難させやすい部屋を使ってもらう
・消防に通報してから到着までの時間を確認しておく
・火を使用する場所の点検を定期的に行う
・夜勤中の避難役割と行動手順を決めておく
・喫煙は決められた位置のみとする
・PDCAサイクルによる定期的な改善・見直しを行う