介護施設のリスクには、利用者の転倒・転落・誤嚥・誤飲・薬の誤用・送迎中の交通事故などが挙げられます。
利用者の心身機能が低下しているときや、施設の環境などによっても発生する恐れがあります。
介護施設における事故を未然に防ぐためにも、リスクマネジメントを意識することが重要です。
そこで、介護施設におけるリスクについて、リスクマネジメントや取り組みを簡単に紹介します。
介護施設におけるリスクとは、将来起こる恐れのある事故やトラブルなどの損害です。
たとえば、転倒・転落・滑落、誤飲・誤嚥・交通事故などが挙げられます。
介護施設では、心身機能が低下した利用者も多いため、少しのミスや不注意が事故につながる恐れもあります。
利用者だけでなく、職員も事故でケガを負う恐れがあり、事業所全体を巻き込むトラブルに発展しないとも言い切れません。
そのため、リスクを防ぐための対策として、介護施設のリスクマネジメントが重要といえます。
介護施設のリスクマネジメントとは、想定されるリスクを未然に防ぐプロセスです。
日常的に起こりうる危険性を組織的に管理することが必要であるため、実際に発生する可能性のある事故やトラブルを現場で必ず起こると捉えて、施設全体で共有・管理します。
介護職員のヒヤリハット事例や、実際に起こった事故を洗い出し、原因を分析することから始めましょう。
分析内容は施設全体で周知徹底し、職員の共通認識とすることで、重大な事故を未然に防ぐことができます。
事故防止の取り組みを行うだけでなく、事故が発生したときの対処法も準備しておくことが必要です。
すぐにできる介護施設のリスクマネジメントの取り組みとして、以下が挙げられます。
・危険個所を確認する
・手すりを設置するなど環境面を改善する
・トレーニングや支援内容を検討する
・ヒヤリハット活動での事故や災害の芽を摘む
・インシデント分析での将来の事故を予防する
・職員で安全意識を共有し体制を整える
なお、実際に事故が発生したときには、以下の対応を行います。
・利用者の安全最優先で止血・人工呼吸・心臓マッサージなどの対処を行う
・管理者・看護師・医師に応援を頼む
・状況によって救急搬送を手配する
・死亡事故は警察、食中毒は保健所へ連絡する
・事故状況・応急処置・利用者の状態を記録する