介護保険法は、介護や支援を必要とする方やその家族を支える法律です。
たとえば、介護サービスの提供や、介護費用の一部を給付する制度に関する定めが挙げられます。
福祉事業においては、介護保険法だけでなく、老人保健法に関しても理解しておくことが必要です。
そこで、福祉事業における法律について、介護保険法と老人福祉法との違いを解説します。
「介護保険法」とは、介護を必要とする高齢者やその家族を、社会全体で支えるための
介護保険制度に関して規定した法律です。
核家族化や夫婦共働きが当たり前になった日本では、介護を必要とする状態になっても家族のみでの対応は難しくなりました。
このような社会情勢に合わせて、2000年に制定された法律が介護保険法です。
介護保険制度は、誰でも介護を必要とする恐れのある考えと、40歳以上の被保険者から徴収する介護保険料と税金で運営されています。
2000年に介護保険法が施行されて以降は、3年ごとに改正されます。
介護サービスを提供する事業者が受け取る介護報酬は、7~9割は介護保険料と公費で負担され、残りの1~3割を利用者が自己負担します。
そのため、介護保険法に基づく介護保険制度は、40歳以上のすべての人が対象です。
介護保険料を徴収することは欠かせないため、40歳以上になると必ず支払わなければならないと理解しておきましょう。
なお、高齢者に関する法律は介護保険法だけではなく、65歳以上の高齢者を対象として福祉全般に関する法律を定めた老人福祉法もあります。
「老人福祉法」とは、高齢者福祉を担う機関・施設・事業に関するルールを定めた法律です。
都道府県と市区町村に老人福祉計画を作成することを義務付けており、老人福祉施設と老人居宅生活支援事業に関して定めています。
老人福祉法に基づく措置制度は、介護保険法が施行された後も存続中です。
やむを得ない事由で、高齢者が介護サービスを受けられないケースが上記措置の対象となります。
措置制度が存続していることによって、高齢者を必要とするサービスへ結び付けて、市区町村が職権を行使できます。
なお、やむを得ない事由に該当するのは、たとえば家族から虐待を受けている場合や、高齢者本人が介護保険サービス契約を拒むケースなどです。
このようなケースにおいて、措置制度は最終手段として有効に活用されます。