
福祉分野で不祥事が起こると、制裁措置の対象となります。
主に指導監査の対象となりますが、実際には不正請求や利用者からの預貯金着服などが発覚するケースもめずらしくありません。
不祥事が発覚すると、利用者へのサービス提供に影響を及ぼすだけでなく、福祉に対する信頼を大きく損ないます。
あってはならないものであり、万一起こった場合には制裁措置による改善が必要です。
そこで、福祉分野の不祥事に対する制裁措置について、監査の種類と内容を簡単に紹介します。
福祉分野(社会福祉法人)への指導監査は、法人の自主性や自立性を尊重して、法令または通知で定められた法人として遵守し、社会福祉事業の健全経営の確保を図ることを目的として行われます。
福祉分野(社会福祉法人)への指導監査には、以下の2つの種類があります。
・一般監査
・特別監査
それぞれ説明します。
一般監査は、すべての社会福祉法人に、定期的に行います。
法人本部の運営と法人経営の施設などの社会福祉事業について、大きな問題が認められなければ、指導監査ガイドラインに基づいて3年に1度実施されます。
外部監査や福祉サービス第三者評価事業の受審結果などを積極的に公表しているなど、良質で適切な福祉サービスの提供を行っていると判断されれば、4年または5年に1度へ延長もできます。
特別監査は、運営などで重大な問題が認められる場合、実地において随時実施します。
重大な問題が認められた法人と不祥事が起こった法人は、改善が図られるまで、重点・継続した指導監査が行われます。
指導監査ガイドラインに基づいた実施となり、問題の原因を把握するために詳細な確認を行います。
先述したとおり、特別監査は運営に重大な問題のある社会福祉法人に随時行う指導監査です。
一般監査で重大な法令・基準違反や、悪質な不祥事が認められる場合は、監査の対象になります。
事前通告なしに随時実施されることが特徴であり、改善勧告が出された後も改善されないときには、改善命令や業務停止命令の対象となるため注意が必要です。
指導監査により、改善を要する事項は、具体的な改善措置の報告が必要です。
改善への取り組みなどがない場合は、個々の事例に応じた改善のための勧告を行い、改善勧告に従わなければ公表されます。
さらに、改善命令と、業務のすべてまたは一部の停止命令なども検討され、適切な改善措置の対象となります。