
物価高騰は、福祉事業者の事業存続を左右する最大のリスクになっています。
公定価格の介護報酬に依存した経営モデルも限界を迎えていますが、コスト増を利用料へ転嫁することはできません。
物価高騰は利益の削り取りであり、一過性の減少ではなく、長期的な構造的な課題です。
倒産への引き金になる恐れもあるため、データに基づいた経営管理や物流最適化、金融支援の活用が欠かせません。
物価高に負けない経営体質の構築が欠かせませんが、物価高騰による福祉事業者への影響や、受けやすい理由と抑える方法を紹介します。
物価高騰は、福祉事業者にも様々な影響を及ぼしています。
燃料価格の高騰や、食料品や衛生用品の値上げが加速していることが大きなダメージになっていますが、具体的には次の3つで経営を圧迫すると考えられます。
・光熱費の高騰による負担増…24時間体制で稼働する入所施設などは、電気・ガス・水道の削減に限界があるため、光熱費が経営を圧迫する
・食材費・消耗品費の価格高騰…利用者に提供する食事の材料や、感染症対策における消耗品、排泄ケアで使用する紙おむつなどの物資単価が上昇しているため、赤字になるケースが常態化している
・改正物流効率化法に伴う物流コスト増…運送会社から配送料値上げや小口配送の頻度制限などの提示で、調達コストが押し上げられる
福祉事業者が物価高騰の打撃を受けやすい理由として、公定価格の介護報酬と、コスト増のミスマッチが挙げられます。
累積した物価高騰分は、プラス改定があってもその幅を上回ります。
一部の居住費や食費など、利用者が負担する費用の上限は引き上げられたものの、低所得者には配慮が求められるため、コスト増のすべてをカバーできません。
福祉事業者が物価高騰の影響を抑える方法として、DXと物流効率化が挙げられます。
支出を減らすためのデジタル技術の活用例として、以下が挙げられます。
・エネルギー管理のデジタル化…省エネ設備の導入などで無駄な光熱費を徹底排除する
・共同購入・在庫管理の高度化…近隣の事業者やグループと共同で物資を購入し、単価を抑制する
・物流コストの管理徹底…物流における配送回数を減らすために大型発注をするケースや、運送会社と荷待ち時間の削減を目指す体制を整備し、配送コストの上昇を抑える