
介護福祉事業の運営において、避けて通ることができないのがケガのリスク管理です。
ケガのリスクは、利用者だけでなく現場で働く職員にも及ぶため、双方の安全を守るリスクマネジメントが重要です。
そこで、介護福祉事業とケガの現状や、リスクマネジメントの種類と重要性を解説します。
介護福祉事業で多く見られるケガについて、以下の2者に分けて説明します。
・利用者のケガ
・介護職員のケガ
介護福祉事業で起こる利用者のケガは、主に転倒や転落事故が原因です。
軽く転倒した場合でも、骨がもろい高齢者の場合、大腿骨骨折などの重傷につながります。
寝たきり状態になるケースも少なくないため、利用者の安全確保を徹底しましょう。
介護福祉事業で起こる介護職員のケガや職業病として、腰痛が挙げられます。
利用者の移乗介助や入浴介助では、無理な体制をキープすることも少なくないため、慢性的な腰痛やヘルニアを引き起こすこともめずらしくありません。
腰痛を原因に仕事ができなれば、労働力喪失などの経営上の損失へとつながります。
介護福祉事業では、利用者に対する過度な見守りや行動制限を強いることは、筋力を低下させたり意欲を減退させたりします。
大切なことは利用者本人に残された機能や能力を活かし、ケガを恐れて動くことを阻止するのではなく、安全に動ける環境を作り生活の質向上を目指すことです。
具体的には、以下の取り組みにより安全性を図り、ケガへのリスクマネジメントを行います。
・ヒヤリハット事例の収集
・ノーリフティングケアの導入
・職場環境の整備
・保険への加入
介護福祉事業でサービスを提供する上で、事故には至らなかったものの、ヒヤっとしたりハッとしたりした経験のヒヤリハット事例を収集しましょう。
現場で情報を共有し、なぜ起こったのか原因を分析して対策を講じます。
同時に従業員教育を徹底し、ケガをさせない・負わない体制を構築することも大切です。
人力で利用者を抱え上げないケアであるノーリフティングケアを導入しましょう。
福祉用具やスライディングシートなどを活用することで、介護職員の腰痛を予防でき、利用者の緊張緩和も実現できます。
現場の段差を解消したり手すりを設置したりなど、ハード面での職場環境の整備が必要です。
同時に、夜間の巡回タイミングの見直しなどのソフト面対策を組み合わせれば、よりケガのリスクを低減させられるでしょう。
万一のケガに備えて、損害賠償保険への加入など、法的トラブルから事業所を守る備えも検討しましょう。