
介護福祉事業は、加齢に伴い免疫力が低下する高齢者の感染症対策にも力を入れる必要があります。
また、若年層なら軽症で済む感染症でも、重症化や集団感染などのリスクが高いため、介護職員が感染しない予防なども大切です。
インフルエンザ・ノロウイルス・新型コロナウイルスなどへの厳格な対策を講じるため、介護現場の専門的な標準予防策の考え方への理解も必要といえます。
そこで、介護福祉事業と感染症対策や、現場の対策と家庭でできる予防法を解説します。
介護現場の共通の考え方が「標準予防策(スタンダード・プリコーション)」です。
すべての人の、血液・体液・排泄物などに感染原因の可能性があると捉えて対応する考え方であり、特定の病気を抱える方だけを区別しません。
施設全体での予防を徹底し、介助の前後では手洗いや手指消毒をこまめに行い、必要に応じて使い捨てマスクや手袋も着用します。
施設で感染症が拡大することを防ぐために、次の3つを原則とした対策を立てましょう。
・外部から持ち込まない…職員出勤時には検温を行い、面会者に対しても体温や体調の確認、手指消毒を依頼することが大切
・施設内で拡げない…誰かが発症したときにはすみやかに個室へ隔離し、動線を分けるゾーニングなどを徹底する
・外部へ持ち出さない…施設内の汚物やゴミを適切に処理し、外部へウイルスを拡散させない
介護福祉事業では、次の3つの感染症への警戒が特に重要です。
・飛沫で拡がる感染症…咳やくしゃみなどの飛沫で感染するインフルエンザなど
・接触で拡がる感染症…手やドアノブを介して接触することで感染するノロウイルスなど
・空気で拡がる感染症…微細な粒子が空気中を漂い、吸い込むことで感染する結核など
感染症被害を最小限に抑えるためには、早期に発見することです。
高齢者は感染後に発熱しにくいことや、症状が出ないこともあります。
普段よりも食欲がない場合や、顔色が悪く傾眠傾向が見られるなどの小さな変化を見逃さないで、クラスター発生を未然に防げます。
家庭内の介護においても、介助前後はもちろん、ドアノブやリモコンなど家族が共通して触れるところは消毒しましょう。
歯磨きを徹底して口の中を清潔に保てば、細菌による誤嚥性肺炎の予防にもつながります。