老人ホームなどの入所系の介護施設では、2020年4月末までの550人余りの方が新型コロナウイルスに感染してしまい、さらにその1割の60人が死亡したことがわかっています。
欧米で新型コロナウイルスにより亡くなった方多くは高齢者施設の入所者などであり、日本でも感染者や死亡者が増えてしまうことは回避しなければなりません。
高齢者が入所する介護施設で生活する入所者のうち、新型コロナウイルスに感染しているのは2020年5月8日時点で700人という結果が出ており、うち79人が亡くなっていたことが2020年5月13日共同通信の調査で判明しています。
亡くなった方に介護職員はおらず、いずれも入所者であり、介護施設で新型コロナウイルスに感染した7人に1人の方が亡くなったことになります。
高齢者は重症化や死亡リスクが高いため、今後も新型コロナウイルスには注意し続けることが必要といえるでしょう。
先に欧米では新型コロナウイルスの感染が深刻化しましたが、死亡した方の多くが高齢者施設の入所者でした。
実際にクラスター(集団感染)が発生してしまった高齢者施設の中には、感染者のすべてが入院し再発防止策も講じられ、事態も収束に向かったとされていたのに再度感染者が出てしまったケースもあります。
高齢者が入所する介護施設は、人同士の距離が近く接触度が高いため、ウイルスが一旦持ち込まれてしまうとクラスターが発生しやすい環境であるといえるでしょう。
仮に感染が収束に向かっているように見えても、最後の最後まで気を抜くことのできない環境であることを再認識するべきです。
もし介護施設で感染者や感染の疑いがある方が発生したときには、対象者を個室に移動させ隔離し、対応を行うスタッフも限定するなどの対策が必要です。
また、入所者やスタッフが食事を取る場合にも、できる限り換気のよい場所でなるだけ離れて食べるなどが必要になります。
施設の構造上の事情や人員に限界があるなどの理由で、個室に移動させることが難しい場合もあるでしょう。この場合、カーテンで仕切って出ないようするといった感染リスクを低減させる対応が必要です。
基礎疾患を抱える高齢者なども多く生活する介護施設などは、新型コロナウイルスの感染による感染者が出ればそこからクラスターにつながりやすくなるため、適切な感染拡大防止対策が必要と認識しておきましょう。