介護福祉事業情報ラボNursing care work Information Lab

介護施設への入所希望者には健康状態を検査・確認してもらうことが必要

2020.08.02
分類:リスク

老人ホームなど介護施設に入所するときには、医師が入所希望者の健康状態を検査・確認した書類が必要となります。

必要となるのは「健康診断書」と「診療情報提供書」であり、入所希望者の健康状態を示す書類です。

ただ、入所予定となる介護施設により、必要項目や提出書類は違ってきますので、事前に確認してもらうことが必要といえます。

入居希望者の健康状態を検査・確認した書類はなぜ必要か

老人ホームなど介護施設に入所するときには、入所希望者の健康状態を検査・確認した健康診断書の提出が必要です。

これは入所希望者の感染症の有無を確認するためであり、健康診断書に記載されている血液検査やレントゲン結果などで状態を把握できるからです。

診療情報提供書も健康診断書に準ずる内容となっており、傷病名や経過・治癒状況などの記載があるため確認することができます。

入所希望者とすでに入所している方の安全を守るために

介護施設側は、入所を希望する方の健康管理や介護を責任もって行うため、そして現在入所している方に支障をきたすことのないように、しっかりと対応できる健康状態か確認することが必要です。

特に感染症の有無については確認が必要であり、すでに入所している方の健康に影響を及ぼすことのないようにしておきましょう。

介護施設に長期的に入所するときだけでなく、短期間の利用となるショートステイの場合でも健康診断書は提出してもらうことが必要となります。

また、介護老人保健施設や療養病床、介護医療院など医療ケアを重視した施設などでも、健康診断書や診療情報提供書などの書類を提出するように求められることが多いようです。

 

感染症については特に注意が必要

特に新型コロナウイルス感染症の感染拡大が懸念されている今、感染症対策はより重視するべきといえます。

感染経路を遮断するためには感染源を持ち込まないことが重要ですので、感染症リスクの高い方は入所を断ることも必要です。

他にもインフルエンザやノロウィルス感染症、腸管出血性大腸菌(O157)、肺炎、疥癬、結核など感染力が強い上に集団感染が発生するリスクが高いケースなども、完治するまで入所できないと理解してもらいましょう。

ただしMRSAやウィルス性肝炎、HIV感染症などは感染経路が限定されているため、日常生活を送る上での感染リスクは低いと考えられています。そのためこれらの感染症の場合には、感染を理由に入所を拒否できない応諾義務があると認識しておいてください。