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介護施設の現場で事故を起こさない!リスクヘッジを実現させるには

2020.09.20
分類:リスク

介護施設の現場において、事故を防ぐためにリスク管理を徹底していることでしょうが、そのためにもまずはリスクをしっかりと把握することが必要です。

リスクヘッジのため、把握したリスクを適切な支援計画に結び付けることが、要介護状態の高齢者を支える上で大切といえます。

そもそも要介護認定を受けている高齢者は、心身状態が低下していることもあり、事故リスクは高めです。

ただ、リスクがあるから生活行為そのものを制御することは、利用者の尊厳が侵されることになってしまいます。自分らしい生活を送りたいと考えている利用者を守るためにも、介護施設の現場のリスクを把握し、正しく回避できる体制を整備していきましょう。

利用者に無理な制御は危険

誰でも自分らしい生活を送ろうとしているところを邪魔された場合や、制御を受けてしまうとそれに抵抗したくなるものです。その抵抗が予測不能な行動を生むこととなり、新たなリスクにつながってしまう可能性もあります。

たとえば車いすから転倒しないようにと、Y字ベルトで利用者を固定したことによって、利用者は何とか逃れようと身体を動かし、ずらそうとして車いすごと転倒するといった事故も起きるかもしれません。

認知症の方が徘徊することを防ごうと、ベッドに拘束してしまえば信頼関係はたちまち崩れてしまいます。

また、現場におけるリスクを把握しようと考えたとき、利用者の疾患や身体機能で低下している部分だけに目を向けてしまいがちです。しかしリスクは他にも様々なところに潜んでおり、生活観や価値観などを理解しながら信頼関係を築くこともリスク管理につながります。

利用者と介護スタッフとの間で、しっかりと信頼関係を築くことができていれば、利用者も穏やかな心で規則正しい生活を維持できるはずです。

不測の事態が生じるリスクは、この信頼関係をうまく築くことができていないことでも発生すると認識しておきましょう。

 

利用者とスタッフの信頼関係がリスクヘッジにつながる

事故を防ぐ上でのリスク管理と、利用者の生活の質を向上させることは両立させなければならないということです。利用者が自分らしい生活を送ることができるケアマネジメントが必要となり、それによりリスクヘッジにつながるといえます。

ただし信頼関係を築く上で、支援を行う介護スタッフの身体や心理状況も大きく影響してきます。激務で心身ともに疲れた状況のままでは、集中力も低下するでしょうしちょっとしたことに苛立ってしまうかもしれません。それによって利用者につい冷たくあたってしまうなど、信頼関係を築きにくくさせてしまいます。

安心して働くことのできる環境整備を行えば、介護スタッフの体調やモチベーション維持・向上につながり、結果として事故を防ぐリスヘッジにつながると考えておくべきです。