介護施設に入所しているのではなく在宅介護サービスを利用している方などは、もし台風や大雨の影響で災害が発生したとき、デイサービスや訪問サービスの利用ができなくなるという不安を抱えていることもあるでしょう。さらに地震など災害規模が大きい場合には、より不安は大きくなってしまいます。
そのため、自宅でこれまでと変わらず生活を続けたいという高齢者の気持ちにも寄り添いながら、ある一定状態を超えて介護を必要とする状態になったときには、やはり介護施設に入所したほうが安心とも考えられます。
自宅で介護を受けながら生活している方の中には、介護サービスを利用することによって生活が成立しているという場合もあります。
通所や訪問による介護サービスを利用することで生活が成立していることもあるようですが、平穏な日常があってこそ利用できるサービスと考えておくべきでしょう。
予測できる台風や積雪などの災害であれば、前日に介護事業所からケアマネジャーに連絡が多く入るようになります。その内容は、ヘルパーの方が訪問できないというものが多く、危険な状態で利用者の自宅に向かうことはできないと考えるからです。
掃除や買い物などのサービスであれば、前日に対応してもらうといった方法も可能です。デイサービスなども入浴が目的なら前日に振り替えし、対応してもらうこともできるでしょう。
しかしヘルパーに訪問してもらえなければ、食事ができない方や排泄ができないという場合は対応できなくなってしまいます。
介護事業所側としても、職員に危険が及ぶ業務をさせるわけにはいかないため、完全な寝たきり状態で一人暮らしをしている方などは特に、大きな台風が発生しヘルパーが訪問できない状況の間は食事や水分補給などができなくなるリスクを把握しておくことが必要です。
さらに予測できない災害が起きた場合、電話もつながらず誰も訪問できない状態になってしまうと、最悪の場合生命にかかわる方もいるでしょう。
そのため自宅で在宅サービスを利用する上で必要なことは、もし災害が起きたときにひとりでいても大丈夫かまず考えてもらうことです。
サービスをうまく組み合わせ、訪問介護などのサービスのみで自宅で暮らすことはできますが、それはあくまでも平和な日常でサービスが滞りなく提供されていればという条件がつきます。
台風など自然災害のときには誰にも訪問してもらえなくなるかもしれないという事態は必ず想定しておき、一定の介護状態を超えたときには介護施設への入所も検討したほうがよいと理解してもらうことも必要といえるでしょう。