新型コロナウイルス感染症の影響により、感染リスクの高い高齢者が多く生活している介護施設でも、ソーシャル・ディスタンス(社会的隔離)という考え方を優先することが必要です。
流行している新型コロナウイルスは、ウイルスを保有しているのに症状がでていない無症状の方もいます。その場合、自身がコロナウイルスに感染していると知らず、他人に接触して感染を拡大させてしまう可能性があるのです。
知らない間に自身がクラスターとなる可能性があるため、人的接触に距離を確保することを必要とし、ソーシャル・ディスタンスという考え方を現在求められています。
ソーシャル・ディスタンスにより必要な隔離を実施し、65歳以上の高齢者はもちろんのこと、糖尿病や心疾患、肺疾患、自己免疫不全のある方など脆弱な方たちがウイルス感染してしまわないようにする必要があります。
それに加えて、こまめな手洗いと接触する表面の清掃・消毒などの予防措置も行うことが必要です。
人と人の距離は、最低でも1.8メートルの置いたほうがよいとされており、さらに10人以上の人が集まる場所を避けることも推奨されています。
介護施設などでも、できるだけ大人数で共有スペースに集まらないような配慮が必要となるでしょうし、介護スタッフ同士も十分に注意が必要といえます。
ソーシャル・ディスタンスを進めていくことによって、一度に医療処置を必要とする人数を減少させることにつながります。
それにより、医療現場の混乱を減らすことができます。介護施設では高齢者、持病のある方など重症化のリスクがより高い方が多く生活しています。
パンデミックの拡大を防ぐことに加え、リスクの高い人たちを守るためにもソーシャル・ディスタンスは欠かせないといえるでしょう。
ただしコミュニケーションのすべてを遮断してしまうことは、介護施設で生活する方にとっても大きなストレスになってしまいます。
ソーシャル・ディスタンスを実施するためにも、直接会わずにコミュニケーションを取ることのできる電話やインターネットによるリモート面会などもうまく活用してみましょう。
正しく行動していけば、介護施設で生活する高齢者、働く介護スタッフ、そして介護事業所そのものを守ることができますので、新型コロナウイルス感染拡大の事態が落ち着くまではソーシャル・ディスタンスを基本としていきましょう。